COVID-19:臨床・検査・画像所見のシステマティックレビュー
2020年 02月 27日
プレプリントのシステマティックレビュー2つ目。登録された文献はやや重症に偏っている印象。
Alfonso J. Rodriguez-Morales, et al.
Clinical, Laboratory and Imaging Features of COVID-19: A Systematic Review and Meta-analysis
Preprints 2020, 2020020378
背景:
COVID-19は中国武漢で12月に発生した。臨床的、検査的、画像的な特徴がいくつかの観察研究で特徴づけられている。これについてのシステマティックレビューはまだない。
方法:
3つの文献データベースにおいて、COVID-19と確定された患者のシステマティックレビューとメタアナリシスをおこなった。すべて観察研究だったが、一部の症例報告が組み込まれたが、これについては別に解析した。ランダム効果モデルによるメタアナリシスをおこない、その頻度と95%信頼区間を算出した。異質性・出版バイアスの評価もおこなった。
結果:
660文献がスクリーニングされ、27文献が全文アセスメントの対象となった。これらのうち、19文献が定性的・定量的解析の対象となった(2874人)。18文献が中国のもので、1文献がオーストラリアのものだった。
平均年齢は51.97歳(95%信頼区間46.06-57.89)、男性は55.9%(95%信頼区間51.6-60.1%)だった。基礎疾患を有していたのは36.8%(95%信頼区間24.7-48.9%)で、高血圧が最も多かった(18.6%、95%信頼区間8.1-29.0%)。心血管疾患(14.4%, 95%信頼区間5.7-23.1%), 糖尿病(11.9%, 95%信頼区間9.1-14.6%)がこれに続いた。
症状は、発熱(88.7%, 95%信頼区間84.5-92.9%), 咳嗽(57.6%, 95%信頼区間40.8-74.4%)、呼吸困難(45.6%,95%信頼区間10.9-80.4%)がよくみられた。小児よりも、成人のほうが発熱の頻度は高かった(92.8%, 95%信頼区間89.4-96.2% vs 43.9%, 95%信頼区間28.2-59.6%)。
検査所見は、低アルブミン血症(75.8%, 95%信頼区間30.5-100.0%), CRP高値(58.3%, 95%信頼区間21.8-94.7%), LDH高値 (57.0%, 95%信頼区間38.0-76.0%), リンパ球減少症(43.1%, 95%信頼区間18.9-67.3%), 赤沈高値(41.8%,95%信頼区間0.0-92.8%)がよくみられた。
胸部レントゲン写真で、肺炎像はおもに両側性だった(72.9%, 95%信頼区間58.6-87.1%)、陰影はGGOが主体だった(68.5%、95%信頼区間51.8-85.2%)。
患者のうち、ICUに入室したのは20.3% (95%信頼区間10.0-30.6%)で、ARDSにいたったのは32.8%(95%信頼区間13.7-51.8)だった。急性腎傷害は7.9%(95%信頼区間1.8-14.0%)に合併していた。致死的なアウトカムになったのは13.9% (95%信頼区間6.2-21.5%)だった。
出版バイアスは確認されなかった。
加えて、39例の症例報告が別に解析された。これらのうち、主症状は発熱(77.0%), 咳嗽(55.6%), 筋肉痛(31.0%)であった。リンパ球減少は23.8%にみられ、CRP上昇が22.2%、AST上昇が7.9%にみられた。胸部レントゲン写真では46%がGGOを呈し、39.7%が両側性の分布だった。
結論:
このシステマティックレビューとメタアナリシスでは、ICU入室にいたるほどの重症例が5人に1人おり、死亡も多かった。
Alfonso J. Rodriguez-Morales, et al.
Clinical, Laboratory and Imaging Features of COVID-19: A Systematic Review and Meta-analysis
Preprints 2020, 2020020378
背景:
COVID-19は中国武漢で12月に発生した。臨床的、検査的、画像的な特徴がいくつかの観察研究で特徴づけられている。これについてのシステマティックレビューはまだない。
方法:
3つの文献データベースにおいて、COVID-19と確定された患者のシステマティックレビューとメタアナリシスをおこなった。すべて観察研究だったが、一部の症例報告が組み込まれたが、これについては別に解析した。ランダム効果モデルによるメタアナリシスをおこない、その頻度と95%信頼区間を算出した。異質性・出版バイアスの評価もおこなった。
結果:
660文献がスクリーニングされ、27文献が全文アセスメントの対象となった。これらのうち、19文献が定性的・定量的解析の対象となった(2874人)。18文献が中国のもので、1文献がオーストラリアのものだった。
平均年齢は51.97歳(95%信頼区間46.06-57.89)、男性は55.9%(95%信頼区間51.6-60.1%)だった。基礎疾患を有していたのは36.8%(95%信頼区間24.7-48.9%)で、高血圧が最も多かった(18.6%、95%信頼区間8.1-29.0%)。心血管疾患(14.4%, 95%信頼区間5.7-23.1%), 糖尿病(11.9%, 95%信頼区間9.1-14.6%)がこれに続いた。
症状は、発熱(88.7%, 95%信頼区間84.5-92.9%), 咳嗽(57.6%, 95%信頼区間40.8-74.4%)、呼吸困難(45.6%,95%信頼区間10.9-80.4%)がよくみられた。小児よりも、成人のほうが発熱の頻度は高かった(92.8%, 95%信頼区間89.4-96.2% vs 43.9%, 95%信頼区間28.2-59.6%)。
検査所見は、低アルブミン血症(75.8%, 95%信頼区間30.5-100.0%), CRP高値(58.3%, 95%信頼区間21.8-94.7%), LDH高値 (57.0%, 95%信頼区間38.0-76.0%), リンパ球減少症(43.1%, 95%信頼区間18.9-67.3%), 赤沈高値(41.8%,95%信頼区間0.0-92.8%)がよくみられた。
胸部レントゲン写真で、肺炎像はおもに両側性だった(72.9%, 95%信頼区間58.6-87.1%)、陰影はGGOが主体だった(68.5%、95%信頼区間51.8-85.2%)。
患者のうち、ICUに入室したのは20.3% (95%信頼区間10.0-30.6%)で、ARDSにいたったのは32.8%(95%信頼区間13.7-51.8)だった。急性腎傷害は7.9%(95%信頼区間1.8-14.0%)に合併していた。致死的なアウトカムになったのは13.9% (95%信頼区間6.2-21.5%)だった。
出版バイアスは確認されなかった。
加えて、39例の症例報告が別に解析された。これらのうち、主症状は発熱(77.0%), 咳嗽(55.6%), 筋肉痛(31.0%)であった。リンパ球減少は23.8%にみられ、CRP上昇が22.2%、AST上昇が7.9%にみられた。胸部レントゲン写真では46%がGGOを呈し、39.7%が両側性の分布だった。
結論:
このシステマティックレビューとメタアナリシスでは、ICU入室にいたるほどの重症例が5人に1人おり、死亡も多かった。
by otowelt
| 2020-02-27 01:43
| 感染症全般