COVID-19:深圳における小児30例の臨床的検討
2020年 02月 27日
小児例はまだトップジャーナルには掲載されていないですね。
Wang Yanrong, et al.
Epidemiological and clinical characteristics analysis of 30 childhood cases with 2019 novel coronavirus infection in Shenzhen.
Chin J Infect Dis, 2020,38:Epub ahead of print.
目的:
深圳におけるCOVID-19に罹患した小児の疫学・臨床的特徴を解析すること。
方法:
2020年1月16日~2月9日に深圳市第三人民医院でCOVID-19と診断された30人の小児のデータを収集した。
結果:
30人の小児のうち、14人が男児、16人が女児だった。10人が軽症例、13人が典型例(発熱、呼吸器症状がみられ肺炎像があるもの)、1人が重症例、6人が無症候性だった。年齢は7ヶ月~18歳で、年齢中央値は7歳だった。30人のうち20人(66.7%)が学童児だった。2週間以内に湖北省に渡航したのは29人で、24人(80.0%)に親族(親や祖父母)にCOVID-19と診断された人がいた。
臨床症状として、9人(30.0%)に発熱、7人(23.3%)に咳嗽がみられた。体温は、おおむね37.5℃だった。ほとんどの症例では、肺の聴診でラ音がなく、肺外の合併症もなかった。1人にwheezesと低酸素血症がみられた。また、1人に下痢と嘔吐があった。重篤例や死亡例はなかった。
白血球上昇(>12000/μL)が3人、CRP上昇が5人、LDH上昇が5人、ヘルパーT細胞の低値が3人にみられた。一部の患者は、RSウイルス、マイコプラズマ肺炎、ヒトヘルペスウイルス、インフルエンザB、風疹ウイルスと共感染していた。
胸部CTでよくみられた所見は、両肺または片肺の斑状GGOだった。
軽症例のCOVID-19にはインターフェロン吸入が投与され、典型例と重症例にはロピナビル/リトナビル錠が投与された。診断前に、抗ウイルス療法の経口ノイラミニダーゼ阻害薬(オセルタミビル)が投与された症例もあり、4例には抗菌薬が投与されていた。6歳の小児1人に酸素投与が行われた。喘鳴のため2日目に入院し、血中酸素飽和度は90%まで低下した。しかし3日後には喘鳴は解除され、酸素療法は解除された。
PCRが陰性化するまでの期間中央値は8日だった。全例治癒し自宅へ退院した。入院期間は、5-16日で中央値は12日だった。
結論:
ほとんどの小児COVID-19症例は、学童児で、家族内クラスターがみられた。ほとんどが軽症で予後良好だった。一部の患児は複数の感染を合併していた。
Wang Yanrong, et al.
Epidemiological and clinical characteristics analysis of 30 childhood cases with 2019 novel coronavirus infection in Shenzhen.
Chin J Infect Dis, 2020,38:Epub ahead of print.
目的:
深圳におけるCOVID-19に罹患した小児の疫学・臨床的特徴を解析すること。
方法:
2020年1月16日~2月9日に深圳市第三人民医院でCOVID-19と診断された30人の小児のデータを収集した。
結果:
30人の小児のうち、14人が男児、16人が女児だった。10人が軽症例、13人が典型例(発熱、呼吸器症状がみられ肺炎像があるもの)、1人が重症例、6人が無症候性だった。年齢は7ヶ月~18歳で、年齢中央値は7歳だった。30人のうち20人(66.7%)が学童児だった。2週間以内に湖北省に渡航したのは29人で、24人(80.0%)に親族(親や祖父母)にCOVID-19と診断された人がいた。
臨床症状として、9人(30.0%)に発熱、7人(23.3%)に咳嗽がみられた。体温は、おおむね37.5℃だった。ほとんどの症例では、肺の聴診でラ音がなく、肺外の合併症もなかった。1人にwheezesと低酸素血症がみられた。また、1人に下痢と嘔吐があった。重篤例や死亡例はなかった。
白血球上昇(>12000/μL)が3人、CRP上昇が5人、LDH上昇が5人、ヘルパーT細胞の低値が3人にみられた。一部の患者は、RSウイルス、マイコプラズマ肺炎、ヒトヘルペスウイルス、インフルエンザB、風疹ウイルスと共感染していた。
胸部CTでよくみられた所見は、両肺または片肺の斑状GGOだった。
軽症例のCOVID-19にはインターフェロン吸入が投与され、典型例と重症例にはロピナビル/リトナビル錠が投与された。診断前に、抗ウイルス療法の経口ノイラミニダーゼ阻害薬(オセルタミビル)が投与された症例もあり、4例には抗菌薬が投与されていた。6歳の小児1人に酸素投与が行われた。喘鳴のため2日目に入院し、血中酸素飽和度は90%まで低下した。しかし3日後には喘鳴は解除され、酸素療法は解除された。
PCRが陰性化するまでの期間中央値は8日だった。全例治癒し自宅へ退院した。入院期間は、5-16日で中央値は12日だった。
結論:
ほとんどの小児COVID-19症例は、学童児で、家族内クラスターがみられた。ほとんどが軽症で予後良好だった。一部の患児は複数の感染を合併していた。
by otowelt
| 2020-02-27 04:28
| 感染症全般