COVID-19:無症候性キャリア24例の臨床経過

COVID-19:無症候性キャリア24例の臨床経過_e0156318_1013880.png 無症候性キャリアのうち、全く問題なく経過したのは3割ということになりますね。やはり、若年者は有利のようです。

Hu Z, et al.
Clinical characteristics of 24 asymptomatic infections with COVID-19 screened among close contacts in Nanjing, China.
Sci China Life Sci. 2020 Mar 4. doi: 10.1007/s11427-020-1661-4.


背景:
 これまでの研究において、COVID-19の臨床的特徴とヒトヒト感染があることが示されてきた。しかしながら、無症候性の感染者からのデータは限られている。この研究は、濃厚接触がある無症候性COVID-19キャリア24人の臨床的特徴と潜在的な感染性について調べたものである。

方法:
 2020年1月28日~2月9日までに、中国江蘇省南京におけるCOVID-19患者(または疑い例)の濃厚接触者を検索した。無症候性キャリアは、咽頭スワブ検体からSARS-CoV-2が陽性になった者とした。彼らの臨床記録、検査データ、胸部CTデータがレビューされた。

結果:
 24人の無症候性キャリアのうち、PCR前に誰も症状は訴えていなかった(これは当然であるが)。5人(20.8%)が入院中に症状を訴えた(発熱、咳嗽、倦怠感など)。12人(50.0%)が典型的なCT所見であるGGOを、5人(20.8%)が線状影を呈した。残りの7人(29.2%)は正常CTで、入院中にまったく症状も訴えなかった。これら7人は、他の17人と比較して若年だった(年齢中央値14歳、p=0.012)。4人(16.7%)は入院中リンパ球減少がみられた。
 抗ウイルス薬は21人(87.5%)に投与された。抗菌薬、抗真菌薬、免疫グロブリンが投与された患者もいた。24人の誰1人として重症COVID-19には発展せず、ICU入室者や死亡者もいなかった。初回PCR陽性から陰性化までの期間中央値は9.5日だった(最大21日)。
 疫学的調査によると、同居している家族への典型的な無症候性感染が観察され、重篤なCOVID-19肺炎を引き起こした症例もあった。

結論:
 濃厚接触者のうち無症候性キャリアは、入院中軽症で済んだ。しかしながら、感染リスクがある期間は最大3週間で、二次感染を受けた患者は重症になる可能性がある。




by otowelt | 2020-02-27 07:31 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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