COVID-19:中国SNSにおけるアウトブレイクの予兆
2020年 02月 27日
いくらなんでも初発患者出現時にWeChatインデックスが上昇するのは不自然な気が・・・。ボソッ。
Wenjun Wang, et al.
WeChat, a Chinese social media, may early detect the SARS-CoV-2 outbreak in 2019
medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.24.20026682
背景:
WeChatは、Tencent Inc.が提供する月10億人がアクセスする中国最大のSNSである。WeChatアプリでアクセスされるWeChat インデックスを使えば、過去90日間にWeChatの投稿、特定の検索キーワードなどの公開データが得られる。WeChatインデックスを使用して、「SARS」、「Feidian(重症呼吸器症候群の中国語略語)」など、SARS-Cov-2疾患に関連するキーワードについて、2019年11月17日から2020年2月14日までの日ごとのデータを取得した。
また、Baiduは、主要な中国のインターネット検索エンジンである。Baidu Inc.が提供するBaidu インデックス(https://index.baidu.com)も、ある地域で一定期間にキーワードがどれほど頻繁に検索されたかを調べることが可能である。
日ごとのデータは、各キーワードの時間ごとにプロットされた。
結果:
2019年11月17日から2019年12月30日まで(44日間)に、キーワード「Feidian」、「SARS」、「コロナウイルス」、「新型コロナウイルス」、「息切れ」、「呼吸困難」、「下痢」のWeChatインデックスが急増した。 「Feidian」のWeChatインデックスは、2019年12月15日までわずかな変動で低レベルを維持し、その後大幅に増加した。その後、インデックスは翌日から2019年12月29日まで比較的高いレベルで維持された。「SARS」のインデックスは、12月の最初の3日間を除いて安定しており、ピークは2019年12月1日だった。「新型コロナウイルス」のWeChatインデックスは、2019年12月11日に急上昇した。。「コロナウイルス」のWeChatインデックスは、2019年12月30日まで急速に上昇するまでほぼ安定していた。「息切れ」と「呼吸困難」のWeChatインデックスは、2019年12月22日から増加し始めた。「下痢」のWeChatインデックスは、2019年12月18日に急上昇した。「肺炎」のWeChatインデックスにはスパイクがあったが、明らかな長期トレンドのない7日周期の周期的パターンであり、アウトブレイクを予測する潜在的な候補ではなかった。 (WeChatインデックス:文献より引用)
「Feidian」、「SARS」、「肺炎」、「コロナウイルス」のBaidu インデックスは、2019年12月30日に急速に上昇した。 その他のキーワードについては、Baidu インデックスは2019年11月17日から2019年12月30日までの期間に明らかな増加を示さなかった。
結論:
中国のSNSであるWeChatのデータを使用すると、2019年12月時点で中国のSARS-CoV-2発生が早期に検知できる可能性がある。キーワードとして「Feidian」のWeChatインデックスを監視すると、発生は2週間前に検出された。
Wenjun Wang, et al.
WeChat, a Chinese social media, may early detect the SARS-CoV-2 outbreak in 2019
medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.24.20026682
背景:
WeChatは、Tencent Inc.が提供する月10億人がアクセスする中国最大のSNSである。WeChatアプリでアクセスされるWeChat インデックスを使えば、過去90日間にWeChatの投稿、特定の検索キーワードなどの公開データが得られる。WeChatインデックスを使用して、「SARS」、「Feidian(重症呼吸器症候群の中国語略語)」など、SARS-Cov-2疾患に関連するキーワードについて、2019年11月17日から2020年2月14日までの日ごとのデータを取得した。
また、Baiduは、主要な中国のインターネット検索エンジンである。Baidu Inc.が提供するBaidu インデックス(https://index.baidu.com)も、ある地域で一定期間にキーワードがどれほど頻繁に検索されたかを調べることが可能である。
日ごとのデータは、各キーワードの時間ごとにプロットされた。
結果:
2019年11月17日から2019年12月30日まで(44日間)に、キーワード「Feidian」、「SARS」、「コロナウイルス」、「新型コロナウイルス」、「息切れ」、「呼吸困難」、「下痢」のWeChatインデックスが急増した。 「Feidian」のWeChatインデックスは、2019年12月15日までわずかな変動で低レベルを維持し、その後大幅に増加した。その後、インデックスは翌日から2019年12月29日まで比較的高いレベルで維持された。「SARS」のインデックスは、12月の最初の3日間を除いて安定しており、ピークは2019年12月1日だった。「新型コロナウイルス」のWeChatインデックスは、2019年12月11日に急上昇した。。「コロナウイルス」のWeChatインデックスは、2019年12月30日まで急速に上昇するまでほぼ安定していた。「息切れ」と「呼吸困難」のWeChatインデックスは、2019年12月22日から増加し始めた。「下痢」のWeChatインデックスは、2019年12月18日に急上昇した。「肺炎」のWeChatインデックスにはスパイクがあったが、明らかな長期トレンドのない7日周期の周期的パターンであり、アウトブレイクを予測する潜在的な候補ではなかった。
「Feidian」、「SARS」、「肺炎」、「コロナウイルス」のBaidu インデックスは、2019年12月30日に急速に上昇した。 その他のキーワードについては、Baidu インデックスは2019年11月17日から2019年12月30日までの期間に明らかな増加を示さなかった。
結論:
中国のSNSであるWeChatのデータを使用すると、2019年12月時点で中国のSARS-CoV-2発生が早期に検知できる可能性がある。キーワードとして「Feidian」のWeChatインデックスを監視すると、発生は2週間前に検出された。
by otowelt
| 2020-02-27 17:20
| 感染症全般