COVID-19:ダイヤモンドプリンセス号における基本再生産数
2020年 02月 28日
どういうつながりでこの論文が中国から出たんでしょうね。
Zhang S, et al.
Estimation of the reproductive number of Novel Coronavirus (COVID-19) and the probable outbreak size on the Diamond Princess cruise ship: A data-driven analysis.
Int J Infect Dis. 2020 Feb 22. pii: S1201-9712(20)30091-6. doi: 10.1016/j.ijid.2020.02.033.
背景:
2020年2月16日までにダイヤモンドプリンセス号でCOVID-19に感染した症例は355人報告されている。早期のアウトブレイクの基本再生産数(R0)を推定することが重要である。
方法:
これまでの発症間隔をガンマ分布に照らしてR0を推定した。クルーズ船内での1日の新規発症例を予測した。
結果:
ダイヤモンドプリンセス船内のCOVID-19初期発生段階でのR0の最大尤度推定値は2.28であった。ブートストラップ法で推定したR0の95%信頼区間中央値は2.06-2.52だった。この値に照らし合わせて計算すると、10日間の新規症例数は徐々に増加して194人(156-235)となり、累積症例数は10日目に1514人(1384-1656)に達した。ただし、R0が25%低下すると累積症例数は1081人(981-1177)、R0が50%低下すると758人(697-817)に減少すると推計された。
結論:
クルーズ船ダイヤモンドプリンセス船内における早期の段階でのCOVID-19のR0の95%信頼区間中央値は2.28(2,06-2.52)だった。将来的な発症やアウトブレイクサイズはR0の変化に依存している。厳密な感染管理と制御が行われない限り、この調査結果はCOVID-19がダイヤモンドプリンセス船内でより大きなアウトブレイクを引き起こす可能性を示している。
Zhang S, et al.
Estimation of the reproductive number of Novel Coronavirus (COVID-19) and the probable outbreak size on the Diamond Princess cruise ship: A data-driven analysis.
Int J Infect Dis. 2020 Feb 22. pii: S1201-9712(20)30091-6. doi: 10.1016/j.ijid.2020.02.033.
背景:
2020年2月16日までにダイヤモンドプリンセス号でCOVID-19に感染した症例は355人報告されている。早期のアウトブレイクの基本再生産数(R0)を推定することが重要である。
方法:
これまでの発症間隔をガンマ分布に照らしてR0を推定した。クルーズ船内での1日の新規発症例を予測した。
結果:
ダイヤモンドプリンセス船内のCOVID-19初期発生段階でのR0の最大尤度推定値は2.28であった。ブートストラップ法で推定したR0の95%信頼区間中央値は2.06-2.52だった。この値に照らし合わせて計算すると、10日間の新規症例数は徐々に増加して194人(156-235)となり、累積症例数は10日目に1514人(1384-1656)に達した。ただし、R0が25%低下すると累積症例数は1081人(981-1177)、R0が50%低下すると758人(697-817)に減少すると推計された。
結論:
クルーズ船ダイヤモンドプリンセス船内における早期の段階でのCOVID-19のR0の95%信頼区間中央値は2.28(2,06-2.52)だった。将来的な発症やアウトブレイクサイズはR0の変化に依存している。厳密な感染管理と制御が行われない限り、この調査結果はCOVID-19がダイヤモンドプリンセス船内でより大きなアウトブレイクを引き起こす可能性を示している。
by otowelt
| 2020-02-28 21:15
| 感染症全般