COVID-19:50例の胸部CT所見の推移

COVID-19:50例の胸部CT所見の推移_e0156318_17185130.png 既知の知見ではありますね。

Xu YH, et al.
Clinical and computed tomographic imaging features of Novel Coronavirus Pneumonia caused by SARS-CoV-2.
J Infect. 2020 Feb 25. pii: S0163-4453(20)30100-6. doi: 10.1016/j.jinf.2020.02.017.


目的:
 SARS-CoV-2による肺炎(NCP)の臨床的特徴と胸部CT写真の画像的特徴を調べること。

方法:
 COVID-19発症後に胸部CT撮影および治療を受けたNCPで確認された患者の画像所見を後ろ向きに検討した。

結果:
 50人の患者が登録された(軽症例が9人、典型例が28人、重症例が10人、重篤例が3人)。軽症例(年齢中央値29歳)は、典型例(44.5歳)、重症例(54.7歳)、重篤例(65.7歳)よりも若年であり、典型例は同様に重症例や重篤例よりも若年だった。
 軽症例は39.1℃未満の発熱例が多く、49人(98%)に白血球数が正常ないし微減、14人(28%)にリンパ球減少、26人(52%)にCRP上昇がみられた。9人の軽症例は胸部CT写真で肺炎像がなかった。その他のNCP例では、右上葉に肺炎があったのが30人、右中葉が22人、右下葉が39人、左上葉が33人、左下葉が36人だった。陰影は肺末梢胸膜直下優位で、肺門に向かって伸びる傾向にあった。26人に両肺対称性の陰影がみられ、15人に非対称性の陰影がみられた。陰影のGGO濃度は、部分的に癒合して線維化を伴い不均一だった。

結論:
 NCPの胸部CT所見は、おおむね肺末梢胸膜直下優位の斑状GGOで、改善される際に線維性線状影を形成しつつ吸収される部分的浸潤影を伴う。




by otowelt | 2020-03-01 09:10 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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