COVID-19:江蘇省における80例の臨床的検討
2020年 03月 01日
COVID-19の論文紹介は、これで50記事目になります。ようやく、CIDから出ましたね。感度の問題があるのでしょうが、2回の陰性を信じてはいけない、となると・・・。
Wu J, et al.
Clinical Characteristics of Imported Cases of COVID-19 in Jiangsu Province: A Multicenter Descriptive Study.
Clin Infect Dis. 2020 Feb 29. pii: ciaa199. doi: 10.1093/cid/ciaa199.
背景:
われわれは、江蘇省におけるCOVID-19患者の臨床的特徴を報告する。
方法:
2020年1月22日~2月14日のあいだに、グレードIIIAの江蘇省の病院において、WHO指針によってCOVID-19と確定された患者の臨床的・画像的・検査的な特徴を後ろ向きに検討した。気道検体に対してリアルタイムRT-PCRが用いられた。
結果:
塩城市および無錫市のCOVID-19患者80人のうち、41人が女性で、年齢中央値は46.1歳だった(IQR 30.7-61.5歳)。3人の重症例を除くと、残り77人は軽症あるいは中等症の症状だった。
41人(51.25%)が初回のPCR検査で陽性となり、30人(37.50%)が2回目のPCR検査で陽性となり、9人は3回目のPCR検査まで確定されなかった。 (文献より引用)
38人は慢性疾患を有していた。主な症状は発熱と咳嗽で、それぞれ63人(78.75%)、51人(63.75%)にみられた。呼吸困難が30人(37.50%)にみられた。
36人(45%)の白血球数が正常よりも減少しており、26人(32.5%)はリンパ球が減少していた。また、3人(3.75%)に肝機能障害がみられた。
55人(68.75%)に胸部画像上異常がみられ、25人(31.25%)は両肺実質に陰影は観察されなかった。
すべての患者はエンピリックに抗菌薬が投与されており、主にモキシフロキサシンだった。抗菌薬は中央値7日間継続された(IQR4-9日)。また、全患者はリバビリンによる抗ウイルス治療を受けていた(中央値7日間、IQR4-9日)。12人(14.63%)がメチルプレドニゾロンを使用されていた(中央値5日、IQR3-8日)。人工呼吸器を装着された患者はいなかった。3人は漢方薬を使用されていた。
現時点で21人が退院し、死亡例はなかった。退院患者の平均入院期間は8日だった。
結論:
武漢の症例と比べて、江蘇省は軽症~中等症が多く、明らかな性別による影響はなかった。武漢の症例よりも肝機能障害や胸部CT異常は少なかった。特筆すべきこととして、2回のPCR検査陰性で誤ってCOVID-19が除外される可能性がある。
Wu J, et al.
Clinical Characteristics of Imported Cases of COVID-19 in Jiangsu Province: A Multicenter Descriptive Study.
Clin Infect Dis. 2020 Feb 29. pii: ciaa199. doi: 10.1093/cid/ciaa199.
背景:
われわれは、江蘇省におけるCOVID-19患者の臨床的特徴を報告する。
方法:
2020年1月22日~2月14日のあいだに、グレードIIIAの江蘇省の病院において、WHO指針によってCOVID-19と確定された患者の臨床的・画像的・検査的な特徴を後ろ向きに検討した。気道検体に対してリアルタイムRT-PCRが用いられた。
結果:
塩城市および無錫市のCOVID-19患者80人のうち、41人が女性で、年齢中央値は46.1歳だった(IQR 30.7-61.5歳)。3人の重症例を除くと、残り77人は軽症あるいは中等症の症状だった。
41人(51.25%)が初回のPCR検査で陽性となり、30人(37.50%)が2回目のPCR検査で陽性となり、9人は3回目のPCR検査まで確定されなかった。
38人は慢性疾患を有していた。主な症状は発熱と咳嗽で、それぞれ63人(78.75%)、51人(63.75%)にみられた。呼吸困難が30人(37.50%)にみられた。
36人(45%)の白血球数が正常よりも減少しており、26人(32.5%)はリンパ球が減少していた。また、3人(3.75%)に肝機能障害がみられた。
55人(68.75%)に胸部画像上異常がみられ、25人(31.25%)は両肺実質に陰影は観察されなかった。
すべての患者はエンピリックに抗菌薬が投与されており、主にモキシフロキサシンだった。抗菌薬は中央値7日間継続された(IQR4-9日)。また、全患者はリバビリンによる抗ウイルス治療を受けていた(中央値7日間、IQR4-9日)。12人(14.63%)がメチルプレドニゾロンを使用されていた(中央値5日、IQR3-8日)。人工呼吸器を装着された患者はいなかった。3人は漢方薬を使用されていた。
現時点で21人が退院し、死亡例はなかった。退院患者の平均入院期間は8日だった。
結論:
武漢の症例と比べて、江蘇省は軽症~中等症が多く、明らかな性別による影響はなかった。武漢の症例よりも肝機能障害や胸部CT異常は少なかった。特筆すべきこととして、2回のPCR検査陰性で誤ってCOVID-19が除外される可能性がある。
by otowelt
| 2020-03-01 09:26
| 感染症全般