COVID-19:河南省における1079例の臨床的検討

COVID-19:河南省における1079例の臨床的検討_e0156318_21331837.png 河南省における報告です。地域別の情報が集まってきましたね。

Cheng Jiuling, et al.
Epidemiological characteristics of novel coronavirus pneumonia in Henan
Chin J Tuberc Respir Dis, 2020,43:Epub ahead of print. DOI: 10.3760/cma.j.cn112147-20200222-00148


目的:
 河南省におけるCOVID-19の疫学的特徴を調べること。

方法:
 この疫学研究は、河南省の保健委員会によって発表された1265人の確定症例の地域流行情報と、公式に確定されている1079人COVID-19の電子カルテデータに基づいておこなわれた。

結果:
 COVID-19患者1079人のうち、男性が573人(53.2%)、女性が505人(46.8%)だった。男女比は1.14:1だった。553人(51.3%)が36~59歳で、平均年齢は46歳だった。515人(47.7%)が武漢の在住歴・渡航歴・仕事での来訪歴あるいは短期滞在歴があった。382人(35.4%)は確定例との濃厚接触歴があった。1265人のうち重症例は72人(5.7%)で、致死率は1.5%だった。
 605人のうち、発熱91.4%、咳嗽18.2%、喀痰3.1%、悪寒1.0%、鼻汁3.5%、咽頭乾燥・疼痛4.0%、頭痛3.5%などが主症状だった。死亡者は33~86歳の範囲にあり、平均年齢は72歳だった。

結論:
 河南省のCOVID-19症例は主に輸入症例であった。家族内クラスターでの発生が多かった。基礎疾患を有する高齢男性の致死率が高かった。




by otowelt | 2020-03-03 14:22 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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