COVID-19:院内の環境表面・空気中のSARS-CoV-2

COVID-19:院内の環境表面・空気中のSARS-CoV-2_e0156318_21331837.png 必ずしも、環境表面で検出されるイコール感染リスクがあるという等式ではないので、拡大解釈には注意したいところです。

Yanfang Jiang, et al.
Clinical Data on Hospital Environmental Hygiene Monitoring and Medical Staff Protection during the Coronavirus Disease 2019 Outbreak
medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.25.20028043.


背景:
COVID-19のアウトレブイクは、病院の環境衛生と医療スタッフの保護に前例のない課題を課している。院内のCOVID-19の拡散を制御するための最重要課題を理解するには、病院の環境衛生を評価することが重要である。

目的:
 吉林大学第一病院でコンタミの危険があるエリアから検体を採取すること。

方法:
 大気中ウイルスは、自然沈降法および空気粒子サンプラー法によって収集された。消毒前の午前7時に、綿棒を使用して所定の環境表面(ドアノブ、トイレのドア、ナースステーションの物品など)をサンプリングした。リアルタイムRT-PCR法を使用して、SARS-CoV-2の検出をこころみた。

結果:
 合計158検体を採取した。そのうち2検体のみでSARS-CoV-2が陽性となった(疑い例がいる隔離エリアのナースステーションの環境表面、およびICU患者がいる隔離病棟の空気中)。
COVID-19:院内の環境表面・空気中のSARS-CoV-2_e0156318_15203110.png


結論:
 流行中の病院の環境衛生の包括的な監視は、病院の感染制御の改善に役立つだろう。




by otowelt | 2020-03-03 15:23 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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