EBUS-GS-TBB後の感染リスク因子

EBUS-GS-TBB後の感染リスク因子_e0156318_12105565.png 後ろ向き研究ですが、膨大な症例をもとに考察された素晴らしい論文で、CHESTにアクセプトされたのは大きいですね。おめでとうございます。

Souma T, et al.
Risk factors of infectious complications after endobronchial ultrasound-guided transbronchial biopsy
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2020.02.025


背景:
 EBUS-GS-TBBによる感染性合併症は、重篤であり、その後の治療に遅延や変更を要することがある。この研究の目的は、EBUS-GS-TBB後の感染のリスク因子を調べることである。

方法:
 われわれは、2013年1月から2017年12月に藤田医科大学においてEBUS-GS-TBBをおこなわれた1045人の診療録を後ろ向きにレビューした。EBUS-GS-TBB後の感染性合併症に関して以下のリスク因子を評価した:患者背景(年齢、基礎疾患)、病変のサイズ、標的病変のCT所見(腫瘍内の低吸収域、空洞の有無)、気管支鏡観察における責任気管支の狭窄の有無、EBUS-GS-TBB前の検査データ(白血球、CRP)。
 EBUS-GS-TBB後の感染性合併症(4週間以内)の定義は以下の3つを満たすものとした。①24時間を超える呼吸器症状の出現あるいは増悪(>37℃の発熱、咳嗽、喀痰、胸痛、呼吸困難)、②白血球あるいはCRPの上昇(気管支鏡前との比較)、③抗菌薬を要する、胸部レントゲンあるいはCTの新たな陰影の出現や増悪。

結果:
 47人が感染性合併症にいたった(24人が肺炎、13人が腫瘍内感染、3人が肺膿瘍、3人が胸膜炎、3人が膿胸)(累積発生4.47%[1051人中47人])。癌治療の遅延が生じたのは13人、癌治療中止が生じたのは7人、死亡が3人にみられた。
 多変量解析では、空洞の存在(p=0.007)、腫瘍内低吸収域の存在(p<0.001)、責任気管支の狭窄(p<0.001)はEBUS-GS-TBB後の感染と有意に関連していた。
 予防的抗菌薬が感染を起こした症例の13人に投与された。傾向マッチ解析では、予防的抗菌薬はEBUS-GS-TBB後の感染に有意な効果があるとは言えなかった。

結論:
 空洞、胸部CTにおける標的病変内の低吸収域、責任気管支の狭窄は、EBUS-GS-TBB後の感染のリスク因子である。われわれのコホートでは、予防的抗菌薬は感染性合併症を予防できるという結論は導けなかった。





by otowelt | 2020-03-24 00:50 | 気管支鏡

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