COVID-19:気管支鏡ガイド下気管挿管をおこなった12例

COVID-19:気管支鏡ガイド下気管挿管をおこなった12例_e0156318_230117.png 原文を見ると、なかなか大変そうな格好で挿管しておられます。動きにくそう・・・。

Cai Shuijiang, et al.
Analysis of bronchoscope-guided tracheal intubation in 12 cases with COVID-19 under the personal protective equipment with positive pressure protective hood.


背景:
 気管挿管は、呼吸器感染症の独立した危険因子である。広州第八病院のICUで2020年1月20日から2月10日までに気管内挿管を受けたCOVID-19の12人について、後ろ向き研究を実施した。

方法:
 挿管手順、麻酔レジメン、合併症を収集して分析した。挿管に関与した9人の医療従事者(5人の医師、4人の看護師)は、ウイルス核酸検査と14日間の体温監視を受けた。

結果:
 12人の患者全員が、気管支鏡ガイド下で、合併症なく挿管に成功した。ミダゾラム、プロポフォール、モルヒネ、フェンタニルが鎮静・鎮痛に用いられ、患者が咳をしないように留意し処置をおこなった。9人の医療従事者は、保護フード付きのPPEを装着していた。中咽頭スワブにおけるSARS-CoV-2のPCR検査は9人全員で陰性だった。症状もなかった。

結論:
 COVID-19の患者に対して気管支鏡ガイド下気管挿管を行う場合、保護フード付きPPEが必要である。これにより、医療従事者をウイルス曝露から保護することが可能である。





by otowelt | 2020-03-06 21:21 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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