COVID-19:小児例と成人例における胸部CT所見の違い

COVID-19:小児例と成人例における胸部CT所見の違い_e0156318_230117.png 小児COVID-19では、共感染が多いことも報告されていましたね。

Xia W, et al.
Clinical and CT features in pediatric patients with COVID-19 infection: Different points from adults.
Pediatr Pulmonol. 2020 Mar 5. doi: 10.1002/ppul.24718.


目的:
 臨床、検査、胸部CTデータの特徴の違いを小児と成人のCOVID-19患者で比較すること。

方法:
 2020年1月23日~2月8日にPCRで確定された20人の小児COVID-19患者から、臨床、検査、胸部CTデータを後ろ向きに収集した。臨床・検査情報は入院カルテから得た。全員胸部CT写真が撮影された。

結果:
 13人の小児(65%)が家族にCOVID-19と診断された者がいた。60%に発熱、65%に咳嗽がみられた。検査所見では、80%でプロカルシトニンが上昇しており、成人にはあまりみられない所見だった。小児では共感染が多かった(40%)。6人(30%)に片肺の陰影がみられ、10人(50%)に両肺の陰影がみられた(4人[20%]は胸部CTで異常所見なし)。10人(50%)にhalo signを伴う浸潤影観察され、小結節が3人(15%)にみられた。胸水貯留例はなかった。
COVID-19:小児例と成人例における胸部CT所見の違い_e0156318_901571.png
(胸部CT所見:文献より引用)

結論:
 成人とは異なり、小児のCOVID-19では、高プロカルシトニン値、halo signを伴う浸潤影がよくみられた。共感染があることも多かった。



by otowelt | 2020-03-07 09:03 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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