COVID-19:湖北省外の症例における潜伏期間の推定

COVID-19:湖北省外の症例における潜伏期間の推定_e0156318_230117.png 97.5パーセンタイルが11.5日、これまでと同じくらいの日数ですね。

Stephen A. Lauer, et al.
The Incubation Period of Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) From Publicly Reported Confirmed Cases: Estimation and Application.
Ann Intern Med. 2020.DOI: 10.7326/M20-0504


背景:
 SARS-CoV-2は2019年中国武漢で同定された。サーベイランスや感染制御に重要な、COVID-19の潜伏期間を含めた疫学的特徴についての情報の多くは限られている。

目的:
 COVID-19の潜伏期間を推定し、その公衆衛生への影響を調べること。

デザイン:
 2020年1月4日~2月24日のCOVID-19の確定例のプール解析。

セッティング:
 中国湖北省武漢外の50県からのニュースレポートとプレスリリース。
 
参加者:
 中国湖北省外でSARS-CoV-2に感染した患者。

評価項目:
 患者背景、曝露・症状発現・発熱・入院日時。

結果:
 曝露と症状発現に関する情報がある181人の確定例の解析で、COVID-19の潜伏期間を類推した。潜伏期間中央値は5.1日だった(95%信頼区間4.5-5.8日)。11.5日(95%信頼区間8.2-15.6日)以内に97.5%の患者が症状を発症していた。これらの推定値は、保守的な想定の下で、10,000症例あたり101人(99パーセンタイル:482)が14日間の積極的監視または検疫後に症状を発症することを意味している。
COVID-19:湖北省外の症例における潜伏期間の推定_e0156318_2146662.png
(潜伏期間:文献より引用)

リミテーション:
 公に報告された症例は、重症例を過剰に組み入れている可能性があり、潜伏期間は軽症例とは異なる場合がある。

結論:
 この研究では、COVID-19の潜伏期間中央値は約5日で、SARSと同等だった。この結果は、SARS-CoV-2に暴露される可能性のある人の隔離期間または積極的監視についての現行指針を支持しているが、極端な症例にはより長い監視期間が正当化されるかもしれない。



by otowelt | 2020-03-10 21:46 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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