重症成人患者におけるセフェピム関連神経毒性はまれ

重症成人患者におけるセフェピム関連神経毒性はまれ_e0156318_13434210.png せん妄との区別が難しそうですが・・・。

Khan A, et al.
Effect of Cefepime on Neurotoxicity Development in Critically Ill Adults with Renal Dysfunction.
Chest. 2020 Mar 5. pii: S0012-3692(20)30429-3. doi: 10.1016/j.chest.2020.01.051.


背景:
 セフェピムの投与を受けた重症成人患者における薬物動態および病理生理学的変化は、副作用イベントのリスクを上昇させるかもしれない。この研究は、腎機能障害がある重症成人患者におけるセフェピム曝露と神経毒性の影響を評価したものである。

方法:
 2014年1月から2018年7月31日までセフェピムを48時間以上投与された、クレアチニンクリアランス<60mL/分の重症成人患者において、セフェピム関連神経毒性(CAN)を評価した。
 中等度の腎機能障害(最初の48時間で8g以上 vs 8g未満)あるいは重症の腎機能障害(最初の48時間で4g以上 vs 4g未満)によって層別化された低用量および高用量セフェピム曝露群が比較された。無CAN生存期間が比較された。

結果:
 低用量群108人、高用量群92人が比較された。最初の48時間のセフェピム合計用量は、高用量セフェピム群のほうが多かった(3.7 ± 1.6 g vs. 7.7 ± 2.2 g, p<0.001)。CANは低用量群・高用量群のいずれにおいても低頻度だった(4% vs. 10%, オッズ比2.82, 95%信頼区間0.84-9.48, p=0.093)。中等度腎機能障害のあるサブグループにおけるCANの頻度も同等だった(5% vs. 7%, オッズ比1.42, 95%信頼区間0.34-5.92, p=0.72)。ただし、重症腎機能障害がある高用量群ではCANはやや多かった(0 vs. 16%, p=0.064)。CAN発症までの期間と寛解までの期間は、低用量群と高用量群のいずれも同等だった。無CAN生存期間は、低用量群と高用量群で同等だった。ほとんどのCAN患者は精神状態の変容だった(12人、92%)。

結論:
 重症成人患者におけるCANは多くない。重症腎機能障害がある患者が高用量セフェピムを投与されると、CANのリスクが高くなる可能性がある。


by otowelt | 2020-03-12 00:28 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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