COVID-19:ファビピラビルのほうがリトナビル/ロピナビルよりも有効
2020年 03月 20日
ランダム化比較試験ではありません。91人から45人を抽出した時点でバイアスが生じている気もしますが。どうでしょう、アビガン®に期待できるでしょうか。
Qingxian Cai, et al.
Experimental Treatment with Favipiravir for COVID-19: An Open-Label Control Study
Engineering (2020),https://doi.org/10.1016/j.eng.2020.03.007
背景:
SARS-CoV-2感染症とそれによるCOVID-19のアウトブレイクは2019年12月以降中国で報告されてきた。16%を超える患者がARDSに陥り、致命率は1~2%である。特異的な治療法ない。そこで、われわれはCOVID-19に対するファビピラビルとリトナビル/ロピナビルの効果を深圳第三人民病院で調べた。
方法:
RT-PCRでCOVID-19と確定した患者は、経口ファビピラビル(1日目:1600mg1日2回、2~14日目:600mg1日2回)+インターフェロンαエアロゾル吸入(500万単位1日2回)がファビピラビル群に、リトナビル/ロピナビル(1~14日目:400mg/100mg1日2回)+インターフェロンαエアロゾル吸入(500万単位1日2回)が対照群に設定された。胸部CT所見の変化、ウイルス除去、安全性が2群で比較された。
対象患者は16-75歳で、酸素飽和度が93%未満であったりP/F比が300mmHg未満、あるいはショックなどの重症例は除外された。
結果:
35人の患者がファビピラビル群、45人の患者が対照群となった(91人の対照群から抽出)。2群ともベースライン特性は同等であった。ウイルス除去までの時間は、ファビピラビル群のほうが対照群よりも短かった(中央値4日 [IQR2.5–9] vs 11日[IQR8–13], P < 0.001)。また、ファビピラビル群は対照群と比較して胸部画像所見を有意に軽快させた(91.43% vs 62.22%, p=0.004)。潜在的な交絡因子で補正しても、ファビピラビル群は胸部画像所見の軽快率が有意に高かった。多変量Cox回帰分析では、ファビピラビルはウイルス除去を促進させる独立因子だった。加えて、対照群よりもファビピラビル群のほうが副作用は少なかった。 (ウイルス除去:文献より引用)
(胸部CT所見:文献より引用)
結論:
このオープンラベル非ランダム化比較試験において、ファビピラビルはCOVID-19における疾患進行とウイルス除去という観点から効果的であった。これらにもし因果関係があるなら、SARS-CoV-2感染症と対峙するための標準的治療ガイドラインを確立する上で重要な情報となるはずである。
Qingxian Cai, et al.
Experimental Treatment with Favipiravir for COVID-19: An Open-Label Control Study
Engineering (2020),https://doi.org/10.1016/j.eng.2020.03.007
背景:
SARS-CoV-2感染症とそれによるCOVID-19のアウトブレイクは2019年12月以降中国で報告されてきた。16%を超える患者がARDSに陥り、致命率は1~2%である。特異的な治療法ない。そこで、われわれはCOVID-19に対するファビピラビルとリトナビル/ロピナビルの効果を深圳第三人民病院で調べた。
方法:
RT-PCRでCOVID-19と確定した患者は、経口ファビピラビル(1日目:1600mg1日2回、2~14日目:600mg1日2回)+インターフェロンαエアロゾル吸入(500万単位1日2回)がファビピラビル群に、リトナビル/ロピナビル(1~14日目:400mg/100mg1日2回)+インターフェロンαエアロゾル吸入(500万単位1日2回)が対照群に設定された。胸部CT所見の変化、ウイルス除去、安全性が2群で比較された。
対象患者は16-75歳で、酸素飽和度が93%未満であったりP/F比が300mmHg未満、あるいはショックなどの重症例は除外された。
結果:
35人の患者がファビピラビル群、45人の患者が対照群となった(91人の対照群から抽出)。2群ともベースライン特性は同等であった。ウイルス除去までの時間は、ファビピラビル群のほうが対照群よりも短かった(中央値4日 [IQR2.5–9] vs 11日[IQR8–13], P < 0.001)。また、ファビピラビル群は対照群と比較して胸部画像所見を有意に軽快させた(91.43% vs 62.22%, p=0.004)。潜在的な交絡因子で補正しても、ファビピラビル群は胸部画像所見の軽快率が有意に高かった。多変量Cox回帰分析では、ファビピラビルはウイルス除去を促進させる独立因子だった。加えて、対照群よりもファビピラビル群のほうが副作用は少なかった。
結論:
このオープンラベル非ランダム化比較試験において、ファビピラビルはCOVID-19における疾患進行とウイルス除去という観点から効果的であった。これらにもし因果関係があるなら、SARS-CoV-2感染症と対峙するための標準的治療ガイドラインを確立する上で重要な情報となるはずである。
by otowelt
| 2020-03-20 22:01
| 感染症全般