PF-ILDの自然経過はIPFと同様
2020年 05月 22日

Brown KK, et al.
The natural history of progressive fibrosing interstitial lung diseases.
Eur Respir J. 2020 Mar 26. pii: 2000085. doi: 10.1183/13993003.00085-2020.
背景:
われわれは、進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)の自然経過について、INBUILD試験およびINPULSIS試験のデータを用いた。
方法:
2つの臨床試験からなるINPULSIS試験におけるIPF患者、INBUILD試験におけるIPF以外のPF-ILD患者を登録し、適切なマネジメントにもかかわらずILDが進行する基準を満たしたものを調べた。プラセボ群のデータを用いて、INBUILD試験の努力性肺活量(FVC)減少率および死亡率をINPULSIS試験のプールデータと比較した。
結果:
補正平均FVC変化率はINBUILD試験(331人)、INPULSIS試験(423人)で同等だった(-192.9 vs -221.0 mL/年, p=0.19)。52週時点で10%を超えるFVC減少を示した患者の頻度は、INBUILD試験48.9%、INPULSIS試験48.7%で、死亡率はそれぞれ5.1%、7.8%だった。10%を超えるFVC減少は、INBUILD試験(ハザード比率3.64)、INPULSIS試験(ハザード比3.95)のいずれにおいても死亡リスク上昇と関連していた。

結論:
これらの知見は、適切な管理でも進行するIPF以外のPF-ILD患者は、無治療IPF患者と同様の臨床経過をたどり、ILD進行や早期死亡のリスクが高いことを支持する。
by otowelt
| 2020-05-22 00:05
| びまん性肺疾患