電子たばこの吸入は喘息患者の肺機能・気道炎症に影響を与える

電子たばこの吸入は喘息患者の肺機能・気道炎症に影響を与える_e0156318_8303736.png EBCまで測定しているので、気道炎症を惹起するのは間違いなさそうですね。

Kotoulas SC, et al.
Acute effects of e-cigarette vaping on pulmonary function and airway inflammation in healthy individuals and in patients with asthma.
Respirology. 2020 Apr 2. doi: 10.1111/resp.13806.


背景および目的:
 電子たばこの即時的影響はこれまで科学的に吟味されてこなかった。この研究の目的は、1本の電子たばこを吸った喘息患者の肺機能と気道炎症の即時的変化を調べることである。

方法:
 GINAガイドラインに準じて中等症の安定期喘息と診断されたその他合併症のない25人の喫煙者と、25人の健常喫煙者をマッチさせた。1本のニコチン含有電子たばこを吸ったあとの肺機能検査、Impulse oscillometry (IOS)、FeNO、呼気凝縮液(EBC)を調べた。pH、IL-1β, IL-4, IL-5, IL-6, IL-8, IL-10, IL-13, IL-17A, TNF-α, ISO8, LTB4濃度がEBCで測定された。

結果:
 電子たばこ吸入後(1本・5分間)の1秒率およびピークフロー値は、喘息患者で低かった。Z5Hz、R5Hz、R10Hz、R20Hzは両群で上昇していた。FeNOおよびEBC中pHは電子たばこ吸入後の喘息患者でそれぞれ3.60 ppb (P = 0.001)、0.15 (P = 0.014)上昇していた(健常者:3.28 ppb [P < 0.001] , 0.12 [P = 0.064])。EBC中のIL-10, TNF-α, ISO8は、電子たばこ吸入後の喘息患者で上昇しており、IL-1βとIL-4の吸入前後の変化に有意差がみられた。

結論:
 安定期にある中等症喘息患者では、電子たばこの吸入は肺機能と気道炎症の両側面から即時的影響を生じる。




by otowelt | 2020-06-30 00:19 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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