COVID-19:中国3地域における重症度ごとの臨床的特徴
2020年 04月 12日

Feng Y, et al.
COVID-19 with Different Severity: A Multi-center Study of Clinical Features.
Am J Respir Crit Care Med. 2020 Apr 10. doi: 10.1164/rccm.202002-0445OC.
背景:
COVID-19は世界的に感染が拡大している。
目的:
中国の異なる3地域におけるCOVID-19患者の臨床的特徴、検査所見、CT画像所見、治療を比較した。
方法:
武漢、上海、安徽における3病院において2020年1月1日から2月15日まで476人の患者を登録した。患者は年齢に応じて4群に、また重症度に応じて3群に分けた。
結果:
中等症群と比較すると、重症群や重篤群では併存症の頻度が高かった(37.8% vs 46.3% vs 67.1%)。重症群と重篤群と比較すると、中等症群ではACE阻害剤/ARBを内服している頻度が高かった。

重篤群では、中等症群と比較して肺内の陰影が多発して胸水貯留がある患者が多かった。中等症群と比較して、重症群では初期4日間で抗ウイルス薬治療を受けている頻度が高く、重症群および重篤群では抗菌薬や全身性ステロイド治療を受けた頻度が高かった。75歳を超える患者では、若年層と比較して致死率が高かった。

結論:
多臓器不全と免疫機能障害は重症群・重篤群の典型的特徴である。ACE阻害剤/ARBの使用は重症度ごとに異なっていた。肺野の多発性陰影と胸水は、COVID-19の重症度と関連していた。75歳を超える年齢は死亡のリスク因子であった。
by otowelt
| 2020-04-12 00:20
| 感染症全般