超未熟児が成人になったときの呼吸器系・心血管系リスク
2020年 06月 03日

John R Hurst, et al.
Respiratory and Cardiovascular Outcomes in Survivors of Extremely Preterm Birth at 19 Years
AJRCCM, https://doi.org/10.1164/rccm.202001-0016OC
背景:
思春期の成長と発達は、超未熟児に見られる呼吸器系・心血管系に影響を与える可能性がある。
目的:
イギリスとアイルランドにおける妊娠26週間前の出生に関する全国縦断的コホート研究で、成人期へ移行したときの、呼吸器系・心血管系のアウトカムを追跡評価すること。
方法:
129人の超未熟児と65人の正期産コントロールが、19歳時点で評価された。肺活量測定、血行動態、機能的能力、炎症性マーカーの指標は、新生児期の気管支肺異形成(BPD)の有無にかかわらず、超未熟児の被験者で作成された。19歳時点において以前の評価と比較した。
結果:
コントロール群と比較すると、超未熟児は有意にスパイロメトリーのパラメータが障害されていた(平均FEV1 zスコア: -1.08 SD (95%信頼区間-1.40 to -0.77))。また、気道可逆性の頻度が高いにもかかわらず(27% vs 6%)、FeNOが低かった(13.9 vs. 24.4 ppb, p<0.001)。未熟児群は、運動耐容能が有意に障害されていた。呼吸器系のパラメータは、新生児期にBPDがあったほうが悪かったが、11歳、19歳時点では同等だった。

未熟児群では、Augmentation index (AIx)が6%高く、末梢血管抵抗の増大と関連していた(平均差96.4、95%信頼区間26.6-166.2 dyne/s/cm5)。超未熟児群では、コントロール群と比較して、中心収縮期血圧と拡張期血圧が青年期に急速に上昇していた。
結論:
臨床医は、超未熟児から生存した成人の心血管系および呼吸器系のリスクに対処する必要がある。
by otowelt
| 2020-06-03 00:52
| 呼吸器その他