COVID-19:ネーザルハイフローはエアロゾル飛散リスクが低い
2020年 04月 19日
COVID-19に対するHFNCは、国外のガイドラインでも推奨され始めているように、適用してもさほど問題なさそうに思います。むしろ、鼻カニューレ~酸素マスクがOKで、HFNCがNGというのは、論理的に合わないかもしれませんね。
参考記事:COVID-19と酸素療法
Jie Li, et al.
High-flow nasal cannula for COVID-19 patients: low risk of bio-aerosol dispersion
European Respiratory Journal 2020; DOI: 10.1183/13993003.00892-2020
リザーバーマスクとベンチュリーマスクと比較すると、HFNCによる酸素療法の飛散距離はやはり少ない。
Leungらは、細菌性肺炎のICU患者19人を対象に、HFNC60L/minと酸素マスク8.6±2.2L/minを比較したランダム化比較試験を報告している。病室の空気がサンプリングされ、プレートが患者から0.4 mと1.5 mに設置された。 1、2、5日間の培養をおこなったが、空気サンプルとプレートで細菌数に有意差はなかった。
患者にサージカルマスクを装着してもらうと、咳嗽時、患者から20cm離れた場所のエアロゾルが大幅に減少することが示されているため、通常鼻カニューレとHFNC装着中にはサージカルマスクを装着することが望ましい。ただ、通常酸素マスク、リザーバーマスク、ベンチュリーマスクではこの対策は無理である。
COVID-19のアウトレブレイクのさなか、多数の臨床医が感染したため、エアロゾル発生による当該治療の疑義が生じ、結果的にHFNCを回避される流れになってしまった。現状、物理学的にはHFNCのエアロゾル産生は通常酸素マスクと同様のリスクである。通常酸素マスクはサージカルマスクを装着できないため、サージカルマスク併用HFNCは通常酸素マスクよりエアロゾル産生を抑えつつ挿管を回避できる合理的選択肢である。
臨床医は、COVID-19患者に対するHFNCを回避する信念から離れることを検討すべきであろう。
参考記事:COVID-19と酸素療法
Jie Li, et al.
High-flow nasal cannula for COVID-19 patients: low risk of bio-aerosol dispersion
European Respiratory Journal 2020; DOI: 10.1183/13993003.00892-2020
リザーバーマスクとベンチュリーマスクと比較すると、HFNCによる酸素療法の飛散距離はやはり少ない。
Leungらは、細菌性肺炎のICU患者19人を対象に、HFNC60L/minと酸素マスク8.6±2.2L/minを比較したランダム化比較試験を報告している。病室の空気がサンプリングされ、プレートが患者から0.4 mと1.5 mに設置された。 1、2、5日間の培養をおこなったが、空気サンプルとプレートで細菌数に有意差はなかった。
患者にサージカルマスクを装着してもらうと、咳嗽時、患者から20cm離れた場所のエアロゾルが大幅に減少することが示されているため、通常鼻カニューレとHFNC装着中にはサージカルマスクを装着することが望ましい。ただ、通常酸素マスク、リザーバーマスク、ベンチュリーマスクではこの対策は無理である。
COVID-19のアウトレブレイクのさなか、多数の臨床医が感染したため、エアロゾル発生による当該治療の疑義が生じ、結果的にHFNCを回避される流れになってしまった。現状、物理学的にはHFNCのエアロゾル産生は通常酸素マスクと同様のリスクである。通常酸素マスクはサージカルマスクを装着できないため、サージカルマスク併用HFNCは通常酸素マスクよりエアロゾル産生を抑えつつ挿管を回避できる合理的選択肢である。
臨床医は、COVID-19患者に対するHFNCを回避する信念から離れることを検討すべきであろう。
by otowelt
| 2020-04-19 17:45
| 感染症全般