COVID-19:死亡リスク因子の解析とアウトカムを予測するノモグラム

COVID-19:死亡リスク因子の解析とアウトカムを予測するノモグラム_e0156318_230117.png ベースになっているデータが中国である点は要考慮です。

Ruchong Chen, et al.
Risk factors of fatal outcome in hospitalized subjects with coronavirus disease 2019 from a nationwide analysis in China.
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2020.04.01


背景:
 COVID-19は世界的に喫緊の状況にある。新規発症患者数と死亡は、いまだ中国外でも増加し続けている。しかしながら、致死的アウトカムに関連する独立予測因子は解明されていない。

方法:
 後ろ向きコホートにおいて、中国各地の1590人のCOVID-19入院患者を登録した。臨床的特徴や検査所見の変数をKaplan-Meier法およびCox比例ハザードモデルを用いて解析し、COVID-19患者の生存を予測するノモグラムを評価した。

結果:
 この国内コホートにおいて、非生存者は高齢者、併存症がある患者、呼吸困難がある患者、入院時検査所見に異常がある患者に多くみられた。多変量Cox回帰分析では、75歳以上(ハザード比7.86, 95%信頼区間2.44-25.35), 65~74歳(ハザード比3.43, 95%信頼区間1.24-9.5), 冠動脈疾患(ハザード比4.28, 95%信頼区間1.14-16.13), 脳血管疾患(ハザード比3.1, 95%信頼区間1.07-8.94), 呼吸困難(ハザード比3.96, 95%信頼区間1.42-11), プロカルシトニン>0.5ng/mL(ハザード比8.72, 95%信頼区間3.42-22.28), AST>40U/L(ハザード比2.2, 95%信頼区間1.1- 6.73)は致死的アウトカムの独立リスク因子だった。ノモグラムは多変量回帰分析に基づいて作成された。生存予測能は良好で、C-index 0.91(95%信頼区間0.85-0.97)だった。キャリブレーションプロットでは、予測と観測の間の一致性は高かった。
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(ノモグラム:文献より引用)

結論:
 提唱してノモグラムは、COVID-19の臨床的アウトカムを正確に予測できる。早期に同定し、より集中的なサーベイランスと適切な治療を考慮すべきである。


by otowelt | 2020-04-20 04:12 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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