健常者の6分間歩行距離
2020年 07月 16日
慢性疾患の運動耐容能としてよく用いられる6分間歩行距離。しかし、リファレンスとして用いられる健常者のデータというのは意外と少ないらしく。
Halliday SJ, et al.
Six-minute walk distance in healthy young adults.
Respir Med. 2020 Apr - May;165:105933. doi: 10.1016/j.rmed.2020.105933.
背景:
6分間歩行試験(6MWT)は、心肺疾患や神経筋疾患の患者の運動耐容能の臨床的アセスメントとして広く用いられているが、若年成人の正常値についての情報は不足している。
方法:
2施設において、272人の若年成人(18~50歳)がATSプロトコルで6分間歩行試験を受けた。56人が繰り返し試験を受けた。線形回帰モデルと既存の予測方程式を比較した。
結果:
6MWD中央値は637mだった(IQR 584-686m)。年齢によって差はみられなかった。この結果は、過去の若年者ほど6MWDが長いという知見に反するものだった。6MWDは身長、体重、BMI、安静時心拍数と弱い相関がみられた。試験終了時心拍数は、最も強く6MWDと相関していた(p < 0.0001)。繰り返し6MWDを測定すると変動が大きく、平均差は32.5±31.9mになった。
結論:
年齢がこの集団の6MWDに与える影響は極めて小さいため、既存の方程式を再評価して若年成人のデータを含める必要があるのではないか。また、心拍数変化は、重要な指標になる可能性がある。
Halliday SJ, et al.
Six-minute walk distance in healthy young adults.
Respir Med. 2020 Apr - May;165:105933. doi: 10.1016/j.rmed.2020.105933.
背景:
6分間歩行試験(6MWT)は、心肺疾患や神経筋疾患の患者の運動耐容能の臨床的アセスメントとして広く用いられているが、若年成人の正常値についての情報は不足している。
方法:
2施設において、272人の若年成人(18~50歳)がATSプロトコルで6分間歩行試験を受けた。56人が繰り返し試験を受けた。線形回帰モデルと既存の予測方程式を比較した。
結果:
6MWD中央値は637mだった(IQR 584-686m)。年齢によって差はみられなかった。この結果は、過去の若年者ほど6MWDが長いという知見に反するものだった。6MWDは身長、体重、BMI、安静時心拍数と弱い相関がみられた。試験終了時心拍数は、最も強く6MWDと相関していた(p < 0.0001)。繰り返し6MWDを測定すると変動が大きく、平均差は32.5±31.9mになった。
結論:
年齢がこの集団の6MWDに与える影響は極めて小さいため、既存の方程式を再評価して若年成人のデータを含める必要があるのではないか。また、心拍数変化は、重要な指標になる可能性がある。
by otowelt
| 2020-07-16 00:03
| 呼吸器その他