EVALI:電子たばこによる肺傷害の臨床的特徴
2020年 04月 25日

・参考記事:EVALI:電子たばこ関連肺傷害のほとんどはTHC含有製品が原因
Angela K. Werner, et al.
Hospitalizations and Deaths Associated with EVALI
N Engl J Med 2020; 382:1589-1598
背景:
2020年1月7日時点で、電子たばこやvapingによる肺傷害(EVALI)を罹患した2558人の非致死的入院患者と50人の致死的患者がCDCによる報告されている。
方法:
国内の研究では、死亡のリスクが高い患者を特定するため、EVALIの致死的な症例の患者の特徴を致死的でない症例と比較した。EVALIの症例をCDCに報告し、可能であれば医療記録および患者の問診データを含めた。分析には、2020年1月7日の時点でCDCに報告されたEVALIの致死的または非致死的な症例全患者が含まれた。また、EVALIで死亡した患者3症例を提示し、患者に共通する臨床的特徴を示す。
結果:
致死的あるいは非致死的EVALI症例のほとんどは男性だった(60人中32人[53%]および2498人中 1666人[67%])。致死的あるいは非知識的EVALI症例は、他の人種と比較して非ヒスパニック系白人に多かった(49人中39人[80%]、1818人中1104人[61%])。致死的症例は、35歳未満の患者よりも35歳以上の患者に多くみられた(2514人中551人[22%] vs 60人中44人[73%])。病歴が得られた患者では、致死的症例では非致死的症例と比較して喘息(57人中13人[23%] vs 1297人中102人[8%])、循環器疾患(55人中26人[47%] vs 1169人中115人[10%])、精神症状(49人中32人 [65%] vs 1398人中575人[41%])が多かった。致死的症例の50人中26人(52%)が肥満だった。致死的症例の半数(54人中25人[46%])が入院・死亡前に外来でみられていた。

結論:
循環器疾患・呼吸器疾患・精神症状を含む慢性疾患の存在は、EVALIの入院患者ではよくみられた。
by otowelt
| 2020-04-25 17:42
| 呼吸器その他