COVID-19:ニューヨークにおけるCOVID-19の臨床的特徴
2020年 04月 27日

Safiya Richardson, et al.
Presenting Characteristics, Comorbidities, and Outcomes Among 5700 Patients Hospitalized With COVID-19 in the New York City Area
JAMA. Published online April 22, 2020. doi:10.1001/jama.2020.6775
背景:
アメリカにおける入院を要するCOVID-19患者の臨床的特徴と転帰についての情報は限られている。
目的:
入院したCOVID-19患者の臨床的特徴と転帰を説明すること。
方法:
Northwell Health systemでのニューヨーク市、ロングアイランド、ウェストチェスター郡の12病院に入院したCOVID-19患者のケースシリーズである。2020年3月1日から2020年4月4日までの間に入院した全連続患者が含まれた。
曝露:
SARS-CoV-2感染は、入院を要する患者の鼻咽頭サンプルのRT-PCRにより確認された。
アウトカム:
入院中の侵襲的人工呼吸管理、腎代替療法、死亡などの臨床転帰。基礎疾患、バイタルサイン、検査結果が収集された。
結果:
5700人のCOVID-19患者が含まれた(年齢中央値63歳、IQR52〜75、範囲0〜107歳、39.7%が女性)。よくみられた併存症は、高血圧(3026人; 56.6%)、肥満(1737人; 41.7%)、糖尿病(1808人; 33.8%)だった。初期診療においてCOVID-19患者の30.7%が発熱がみられ、17.3%が24回/分を超える呼吸数、27.8%が酸素投与を受けた。研究終了時点で退院または死亡した2634人の患者転帰を評価したところ、呼吸器系ウイルスの感染合併率は2.1%だった。入院中、373人の患者(14.2%)(年齢中央値68歳、IQR56-78歳、33.5%が女性)がICUで治療を受けた。320人(12.2%)が侵襲的人工呼吸器を使用し、81人(3.2%) が腎代替療法で治療され、553人(21%)が死亡した。人工呼吸器を要したCOVID-19患者の死亡率は88.1%だった。退院後の追跡期間中央値は4.4日だった(IQR2.2-9.3日)。期間中に合計45人の患者(2.2%)が再入院した。再入院までの期間中央値は、3日だった(IQR1.0〜4.5日)。
死亡した2634人の患者のうち、2411人(92%)の在宅処方情報が利用で、189人(7.8%)がACE阻害剤を、267人(11.1%)がARBを内服していた。ACE阻害剤内服患者のうち、91人(48.1%)が入院中もACE阻害剤内服を継続した。ARB内服患者のうち、136人(50.1%)は入院中もARB内服を継続した。両薬剤を内服していない高血圧患者、ACE阻害剤を内服している高血圧患者、ARBを内服している高血圧患者の死亡率は、それぞれ26.7%、32.7%、30.6%だった。
結論:
このケースシリーズは、ニューヨーク市地域でCOVID-19が確認され、入院した患者の特徴と早期の転帰を示している。
by otowelt
| 2020-04-27 00:53
| 感染症全般