CHEST/AABIPガイドライン:COVID-19パンデミック期の気管支鏡検査
2020年 05月 03日

ちなみに、各学会や施設から「院内感染を防ぐ水際対策として、無症候の患者に対して手術、内視鏡検査、救急医療などの診療を行なう前に新型コロナウイルスのPCR検査を保険適用もしくは公費で施行可能にしていただきたい」という共同声明が出されています。
・参考:COVID-19 及び疑い症例に対する気管支鏡検査における注意喚起 第2報(特に処置前PCR検査についての記述はない)
・参考:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への消化器内視鏡診療についての提言(特に処置前PCR検査についての記述はない)
以下、CHEST/AABIPの推奨です。
Wahidi MM, et al.
The Use of Bronchoscopy during the COVID-19 Pandemic: CHEST/AABIP Guideline and Expert Panel Report
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2020.04.036
サマリー:
1. COVID-19の疑い患者あるいは確定患者に気管支鏡検査をおこなうとき、処置あるいは回復室にかかわる医療従事者は、N95マスクあるいはPAPRを装着することを支持する。
2. COVID-19の疑い患者では、まず鼻咽頭検体を採取することを支持する。挿管を要する重症あるいは進行性の病態では、COVID-19または臨床マネジメントを変更しうるその他疾患の診断のために追加検体が必要な場合、気管内吸引または気管支鏡による気管支肺胞洗浄(BAL)をおこなってもよい。
3. COVID-19が流行している地域で無症状患者に気管支鏡検査をおこなうとき、処置室の医療従事者は、サージカルマスクではなくN95マスクあるいはPAPRを装着することを支持する。
4. COVID-19が流行している地域で無症状患者に気管支鏡検査をおこなうとき、COVID-19感染の検査をすることを支持する。
5. COVID-19が流行している地域で既知の肺癌あるいは疑い例の診断、病期分類、確定のために気管支鏡検査を行う場合、タイムリーかつ安全な方法で行うことを支持する。
6. 回復したCOVID-19確定例にルーチンの気管支鏡検査が必要な場合、処置の適応、COVID-19感染の重症度、症状軽快からの期間に応じて、処置のタイミングをカスタマイズすることを支持する。
by otowelt
| 2020-05-03 00:01
| 気管支鏡