胸腔鏡手術後の気胸再発リスク因子
2020年 06月 20日

Maria Cattoni, et al.
Analysis of Pneumothorax Recurrence Risk Factors in 843 Patients Who Underwent Videothoracoscopy for Primary Spontaneous Pneumothorax: Results of a Multicentric Study
Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2020 Apr 30;ivaa064. doi: 10.1093/icvts/ivaa064.
目的:
原発性自然気胸に対する胸腔鏡下手術後の気胸再発のリスク因子は議論の余地がある。この研究の目的は、胸膜癒着やその他のマネジメントが術後の片側気胸再発と関連しているかどうか調べることである。
方法:
2007~2017年の間に、9施設において40歳以下の自然気胸に対して胸腔鏡下手術をおこなわれた1178人の連続患者を登録した。追跡困難だった症例などを除外し、843人を解析に組み込んだ(80%が男性、年齢中央値22歳)。単変量および多変量解析を用いて、片側気胸再発に関連する因子を調べた。
結果:
ブレブ/ブラ切除は664人(79%)の患者におこなわれた。70ヶ月の追跡期間のあいだ、気胸は79人(9.4%)で再発した。これらのうち、29人が再手術、34人が胸腔ドレーン/タルク散布、16人が経過観察を含めた管理が適用された。再発のリスク因子として有意だったのは、術後のエアリークだった(ハザード比3.59、95%信頼区間1.75–7.38、P < 0.001)。これは、ブレブ/ブラ切除と関連していた(P = 0.03)。

結論:
多施設研究において、術後の片側気胸再発は術後のエアリークと関連していた。胸膜癒着手技は、再発には有意に影響していなかった。遷延性エアリークを予防するため、適応があるときに限って適切にブレブ/ブラ治療を行うべきかもしれない。
by otowelt
| 2020-06-20 00:40
| 呼吸器その他