COVID-19:患者の半数近くに静脈血栓塞栓症が合併する
2020年 05月 06日
思ったよりVTEが高いという論説。今話題になっている肺血栓塞栓症の話とリンクするかもしれませんね。
Saskia Middeldorp, et al.
Incidence of Venous Thromboembolism in Hospitalized Patients With COVID-19
J Thromb Haemost. 2020 May 5. doi: 10.1111/jth.14888.
背景および方法:
COVID-19は全身性の凝固活性化と血栓性合併症を引き起こす可能性がある。われわれは、単一施設のコホート研究において、COVID-19入院患者198人における静脈血栓塞栓症(VTE)の発生を調査した。
結果:
75人の患者(38%)がICUに入院した。データ収集時点で、16人(8%)はまだ入院しており、19%が亡くなった。 7日間の追跡期間中央値(IQR3-13)の間に、ルーチンの血栓症予防策にもかかわらず、39人の患者(20%)がVTEと診断された。うち25人(13%)に症候性VTEが確認された。
7、14、21日目のVTEの累積発生率は、それぞれ16%(95%信頼区間10-22)、33%(95%信頼区間23-43)、42%(95%信頼区間30-54)だった。症候性VTEの場合だと、これらはそれぞれ10%(95%信頼区間5.8-16)、21%(95%信頼区間14-30)、25%(95%信頼区間16-36)だった。VTEは死亡と関連しているように思われた(調整後ハザード比2.4、95%信頼区間1.02〜5.5)。
VTEの累積発生率はICUで特に高く、7、14、21日目においてそれぞれ26%(95%信頼区間17-37)、47%(95%信頼区間34-58)、59%(95%信頼区間42-72)だった。一般病棟におけるVTEおよび症候性VTEの頻度は、7、14、21日目でぞれぞれ5.8%(95%信頼区間1.4-15)、9.2%(95%信頼区間2.6-21)、9.2%(95%信頼区間2.6-21)だった。 (累積発症:文献より引用) (ICU入室ごとの累積発症:文献より引用)
結論:
COVID-19で観察されるVTEのリスクは高く、特にICU患者で顕著だった。
Saskia Middeldorp, et al.
Incidence of Venous Thromboembolism in Hospitalized Patients With COVID-19
J Thromb Haemost. 2020 May 5. doi: 10.1111/jth.14888.
背景および方法:
COVID-19は全身性の凝固活性化と血栓性合併症を引き起こす可能性がある。われわれは、単一施設のコホート研究において、COVID-19入院患者198人における静脈血栓塞栓症(VTE)の発生を調査した。
結果:
75人の患者(38%)がICUに入院した。データ収集時点で、16人(8%)はまだ入院しており、19%が亡くなった。 7日間の追跡期間中央値(IQR3-13)の間に、ルーチンの血栓症予防策にもかかわらず、39人の患者(20%)がVTEと診断された。うち25人(13%)に症候性VTEが確認された。
7、14、21日目のVTEの累積発生率は、それぞれ16%(95%信頼区間10-22)、33%(95%信頼区間23-43)、42%(95%信頼区間30-54)だった。症候性VTEの場合だと、これらはそれぞれ10%(95%信頼区間5.8-16)、21%(95%信頼区間14-30)、25%(95%信頼区間16-36)だった。VTEは死亡と関連しているように思われた(調整後ハザード比2.4、95%信頼区間1.02〜5.5)。
VTEの累積発生率はICUで特に高く、7、14、21日目においてそれぞれ26%(95%信頼区間17-37)、47%(95%信頼区間34-58)、59%(95%信頼区間42-72)だった。一般病棟におけるVTEおよび症候性VTEの頻度は、7、14、21日目でぞれぞれ5.8%(95%信頼区間1.4-15)、9.2%(95%信頼区間2.6-21)、9.2%(95%信頼区間2.6-21)だった。
結論:
COVID-19で観察されるVTEのリスクは高く、特にICU患者で顕著だった。
by otowelt
| 2020-05-06 17:37
| 感染症全般