非HIV PCPにおいて間質性肺疾患は予後不良と関連
2020年 05月 29日

Hamada S, et al.
Prognostic impact of pre-existing interstitial lung disease in non-HIV patients with Pneumocystis pneumonia.
ERJ Open Res. 2020 May 4;6(2). pii: 00306-2019. doi: 10.1183/23120541.00306-2019.
背景:
非HIVの免疫不全患者における致死的なニューモシスチス肺炎(PCP)が増えていることは世界的な懸念事項である。しかし、非HIV PCPにおける既存の間質性肺疾患(ILD)の予後的評価がなされたことはない。
方法:
われわれは、後ろ向きに非HIV PCP患者のILD合併例と非合併例を診療録から抽出した。臨床的特徴とアウトカムが2群で比較された。Cox回帰モデルを用いて予後予測因子を同定した。
結果:
74人の患者が登録された。90日死亡率はILD群のほうが非ILD群より有意に高かった(62.5% vs 19.0%, p<0.001)。

ILD群において、気管支肺胞洗浄液中の好中球比率が高い患者は、低い患者よりも予後不良だった(p=0.026)。多変量解析では、既存のILD(p=0.002)および低アルブミン血症(p=0.009)は90日死亡の独立リスク因子だった。血清β-Dグルカンは、両群ともにPCP治療後に減少していたが、ILD群ではKL-6の上昇がみられた。ILD群において、治療後KL-6が高い患者は、低い患者と比較して90日死亡率が有意に高かった(78.9% vs 0%, p=0.019)。

結論:
非HIV PCP患者において、既存のILDは予後不良と関連していた。免疫抑制状態にあるILD患者ではPCP予防が必要である。
by otowelt
| 2020-05-29 00:45
| 感染症全般