好中球-リンパ球比は、NSCLCにおける免疫チェックポイント阻害剤の効果を予測

好中球-リンパ球比は、NSCLCにおける免疫チェックポイント阻害剤の効果を予測_e0156318_1372769.png そういえば、COVID-19でも好中球-リンパ球比は当初話題になりました。

Takada K, et al.
Serum markers associated with treatment response and survival in non-small cell lung cancer patients treated with anti-PD-1 therapy.
Lung Cancer. 2020 May 5;145:18-26. doi: 10.1016/j.lungcan.2020.04.034.


背景:
 いくつかの血清マーカーは、免疫チェックポイント阻害剤によって治療されたNSCLC患者の治療反応性と臨床アウトカムと関連していることが示されている。

方法:
 われわれは免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブあるいはペムブロリズマブ)で治療された進行あるいは再発性NSCLC患者226人(年齢中央値66歳、男性81.4%、IIIB期 30人[13.3 %]、IV期 155人 [68.6 %]、再発41人[18.1 %])における単変量および多変量解析をおこなった。BMI、血清アルブミン値、血清炎症性マーカーのカットオフ値をROC解析で評価した。抗腫瘍効果は、RECIST1.1を用いて胸部CTにより評価した。

結果:
 BMI ≧19.1 kg/m2および、好中球-リンパ球比 (derived neutrophil-lymphocte ratio [dNLR])<2.70は、奏効の独立予測因子だった。また、血清アルブミン≧3.5g/dLおよびdNLR<2.79は、病勢制御の独立予測因子だった。血清アルブミン<3.5g/dL、dNLR≧2.79、リンパ球-単球比<2.12、RDW≧15.9%は無増悪生存および全生存の独立予測因子だった。さらに、これらのマーカーは、PD-L1 TPS≧50%であった患者の生存に対して、特に強く影響を与えていた。

結論:
 dNLRは、抗PD-1治療を受けているNSCLC患者において重要な効果予測因子かもしれない。



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by otowelt | 2020-06-18 00:54 | 肺癌・その他腫瘍

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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