慢性気管支炎に対するBronchial Rheoplasty

去年のATSで発表されていた演題がブルージャーナルに掲載されました。FacebookのATS速報ニュースでも紹介しました。
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Valipour A, et al.
Bronchial Rheoplasty For Treatment of Chronic Bronchitis: 12 Month Results from a Multi-Center Study.
Am J Respir Crit Care Med. 2020 May 14. doi: 10.1164/rccm.201908-1546OC.


背景:
 慢性気管支炎は、著明な喀痰を伴う湿性咳嗽によって特徴づけられ、QOLを障害し、増悪リスクを上昇させる。Bronchial Rheoplastyは非熱パルス電界を気道に適用する気管支内カテーテルである。前臨床試験では、気管支上皮アブレーションとその後上皮が正常再生することが示された。

目的:
 慢性気管支炎患者におけるBronchial Rheoplastyの実現可能性、安全性、初期アウトカムを評価する。

方法:
 両側Bronchial Rheoplastyをおこなわれた患者を登録した2つの研究における30人のプール解析である。6ヶ月(プライマリアウトカム)、12ヶ月の追跡において、有害事象、気道の病理組織、CATスコアの変化、SGRQスコアの変化をみた。

結果:
 Bronchial Rheoplastyは30人全員に実施された(63%が男性、平均年齢67±7.4歳、平均気管支拡張後%1秒量65±21%、平均CATスコア25.6±7.1、平均SGRQスコア59.6±15.3)。
 6ヶ月のあいだに、デバイス関連の有害事象はなく、処置関連の有害事象が4人にみられた。12ヶ月後にはみられなかった。もっともよくみられたデバイス関連・処置関連の有害事象は、血痰・喀血だった(47%)。組織学的には、平均杯細胞過形成スコアは有意に減少していた(p<0.001)。ベースラインから6ヶ月にかけて、CATスコア(平均-7.9、中央値-8.0、p=0.0002)、SGRQスコア(平均-14.6、中央値-7.2、p=0.0002)が有意に改善した。これは12ヶ月をみたときにも同様だった。

結論:
 これは、有症状の慢性気管支炎患者におけるBronchial Rheoplastyの効果、安全性、初期アウトカムを記した最初の臨床エビデンスである。



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by otowelt | 2020-06-01 00:29 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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