COVID-19:隔離病棟内におけるSARS-CoV-2による環境表面汚染

COVID-19:隔離病棟内におけるSARS-CoV-2による環境表面汚染_e0156318_2201476.png 既知の知見ではあります。そして、これは医療施設個々の医療レベルにも依存します。

Wu S, et al.
Environmental contamination by SARS-CoV-2 in a designated hospital for coronavirus disease 2019.
Am J Infect Control. 2020 May 11. pii: S0196-6553(20)30275-3.


背景:
 COVID-19は院内感染のリスクであるが、環境コンタミネーションとそれがSARS-CoV-2伝播に与える影響についてはまだよくわかっていない。この研究は、SARS-CoV-2伝播に環境コンタミネーションが果たす役割について調べたものである。

方法:
 武漢第七病院における研究である。空気中サンプルは、自然降下による捕集によって得られ、環境表面サンプルは通常表面スワブを用いて採取された。SARS-CoV-2 RNA同定はRT PCRを用いた。

結果:
 ウイルスRNAは、44の空気中サンプルでは検出されなかった。医療エリアにおける200の環境表面サンプルの陽性率(24.83%)は、居住エリアの陽性率(3.64%)よりも高かった(P <0.05)。一般隔離病棟の陽性率は25.00%で、ICUの陽性率は37.50%だった(p=0.238)。
 医療エリアにおける陽性率が高かったトップ5は、①ナースコール(6検体中3検体:50.00%)、②給水機のボタン(8検体中4検体:50.00%)、③エレベーターのボタン(7検体中3検体:42.86%)、④パソコンのマウス(10検体中4検体:40.00%)・電話(10検体中4検体:40.00%)だった。

結論:
 指定病院における接触可能な環境表面のほとんどがCOVID-19で汚染されており、環境が伝播の潜在的媒介となることを示している。これらの結果は、ウイルスの蔓延を防ぐために、厳格な環境表面衛生慣行と手指衛生強化の必要性を強調している。



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by otowelt | 2020-05-16 11:23 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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