COVID-19:ロックダウンは中国の大気汚染を改善させた
2020年 05月 17日

それにしても、再び経済が動き始め、また悪化する大気汚染・・・。地球にとって、人間のほうが害悪なのか。
Bao R, et al.
Does lockdown reduce air pollution? Evidence from 44 cities in northern China.
Sci Total Environ. 2020 Apr 29;731:139052. doi: 10.1016/j.scitotenv.2020.139052.
背景:
COVID-19のアウトブレイクにより、中国は2020年1月23日に武漢は、人類史上最大の検疫であるロックダウンを発動した。これに追随し、中国の他の都市でも数日以内にロックダウンが敷かれた。それ以降、人の移動および生産・消費活動は大幅に減少した。この減少による副次的効果として、大気汚染の大幅な改善が記録されている。
方法:
中国北部44地域において、2020年1月1日~3月21日までにBaiduビッグデータを用いて日々の大気汚染データと都市間移動指数データを抽出し、移動制限が大気汚染に影響したかどうかを調べた。
結果:
以下の結論を導いた。
①大気汚染の減少は、このパンデミック時の移動制限と強く関連しており、空気質指数(AQI)は7.80%減少し、5種類の汚染物質(SO2、PM2.5、PM10、NO2、CO)は、それぞれ6.76%、5.93%、13.66%、24.67%、4.58%減少した。

②メカニズム分析では、44地域のロックダウンにより人の移動が69.85%減少し、AQI、PM2.5、COの減少は人の移動制限により部分的に、SO2、PM10、NO2は完全に説明された。

③われわれの調査結果は、環境保護的な生産と消費の役割を理解する重要性を強調するものである。
by otowelt
| 2020-05-17 00:07
| 感染症全般