JIPANG試験:術後アジュバント化学療法としてのシスプラチン+ペメトレキセド

JIPANG試験:術後アジュバント化学療法としてのシスプラチン+ペメトレキセド_e0156318_1372769.png ビノレルビン+シスプラチンは、かなり前からある治療法ですが、やはり副作用が多い印象です。

Kenmotsu H, et al.
Randomized Phase III Study of Pemetrexed Plus Cisplatin Versus Vinorelbine Plus Cisplatin for Completely Resected Stage II to IIIA Nonsquamous Non-Small-Cell Lung Cancer.
J Clin Oncol. 2020 May 14:JCO1902674. doi: 10.1200/JCO.19.02674.


目的:
 病理学的病期II-IIIA期の非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)に対するシスプラチン+ペメトレキセドとシスプラチン+ビノレルビンの効果を評価すること。

患者および方法:
 われわれは、日本の7つの臨床試験グループに参加する50施設でおこなわれたランダム化オープンラベル第3相試験を実施した。患者は完全切除された病理学的病期II-IIIA期(TNM分類第7版)の患者で、ランダムにペメトレキセド+シスプラチン群またはビノレルビン+シスプラチン群のどちらかに割り付けられた。治療は3週ごと4サイクル計画された。プライマリエンドポイントは修正ITT集団における無再発生存とした。

結果:
 2012年3月~2016年8月までに804人の患者が登録された(402人がシスプラチン+ビノレルビン群、402人がシスプラチン+ペメトレキセド群)。適格となった784人のうち、410人(52%)が病期IIIAで、192人(24%)が感受性EGFR遺伝子変異を有していた。
 追跡期間中央値は45.2ヶ月で、シスプラチン+ビノレルビン群の無再発生存期間中央値は37.3ヶ月、シスプラチン+ペメトレキセド群は38.9ヶ月だった(ハザード比0.98、95%信頼区間0.81-1.20、片側検定p=0.474,両側検定p=0.948)。
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(無再発生存:文献より引用)

 サブグループ解析では、EGFR遺伝子変異を検出した患者ではビノレルビン+シスプラチン治療に良好な効果がみられたものの、野生型の患者ではペメトレキセド+シスプラチン治療に対してに良好な結果だった。
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(サブグループ解析:文献より引用)

 グレード3-4の毒性(11.6% vs 0.3%)。好中球減少症(81.1% vs 22.7%), 貧血(9.3% vs 2.8%)はシスプラチン+ビノレルビン群で多くみられた。

結論:
 切除された非扁平上皮NSCLC患者に対するシスプラチン+ペメトレキセドは、シスプラチン+ビノレルビンと比べて優越性は示せなかったが、このレジメンはアジュバント化学療法として忍容性がある。





by otowelt | 2020-05-21 00:08 | 肺癌・その他腫瘍

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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