関節リウマチ関連ILA/ILDの進行リスク因子
2020年 07月 10日
ILAの日本語訳がはっきりしていないので、ILAのままにしています。間質性肺病変、ですかね。ILDかILAなのかは、かなり主観が入ると思います。
Kawano-Dourado L, et al.
Baseline Characteristics and Progression of a Spectrum of Interstitial Lung Abnormalities and Disease in Rheumatoid Arthritis.
Chest. 2020 May 16. pii: S0012-3692(20)31412-4. doi: 10.1016/j.chest.2020.04.061.
背景:
Interstitial lung abnormalities (ILA)および間質性肺疾患は関節リウマチ(RA)患者の60%にみられるとされており、有意に死亡への影響をもたらすような進行をすることがある。進行性間質性変化の特徴や進行リスク因子を同定することで、早期介入が可能になりアウトカムが改善するかもしれない。
リサーチクエスチョン:
ベースラインの特徴はRA-ILD進行と関連しているか?
試験デザインおよび方法:
2014~2016年に臨床的に胸部CTが適応となった成人RA患者の後ろ向き研究において、間質性変化を評価し、さらに診療録レビューに基づいてILAとILDに細分化して評価した。
ILD:過去にILDと診断されている、あるいは放射線学的にILDに合致する病変が広がっている
ILA:過去にILDと診断されておらず、ILD患者よりも胸部CT所見がよりわずかな変化しかないもの
結果:
間質性変化があったのは293人中64人(22%)で、男性喫煙者に多く、生物学的製剤やDMARDs使用例では少なかった。ILAに分類されたのは26人(41%)で、ILDに分類されたのは35人(55%)だった。3人(5%)はいずれにも当てはまらなかった。
連続CTでILA/ILDのあった56人のうち、38%が4.4±2.3年で放射線学的進行がみられ、29%のILAが進行した。進行性ILA/ILDのリスク因子は、胸膜直下優位の分布とベースラインの病変が大きいことだった。
結論:
293人の臨床的にCT撮影の適応があるRA患者のうち、間質性変化は22%にみられ、その半数が画像撮影時に呼吸器症状を訴えていた。放射線学的進行は38%にみられた。進行性ILAの患者の半数は、非肺の適応でベースラインCTが撮影されていた。胸膜直下の分布とベースラインのILA/ILDが広範囲であることは、進行のリスク因子だった。前向き縦断研究が望まれる。
Kawano-Dourado L, et al.
Baseline Characteristics and Progression of a Spectrum of Interstitial Lung Abnormalities and Disease in Rheumatoid Arthritis.
Chest. 2020 May 16. pii: S0012-3692(20)31412-4. doi: 10.1016/j.chest.2020.04.061.
背景:
Interstitial lung abnormalities (ILA)および間質性肺疾患は関節リウマチ(RA)患者の60%にみられるとされており、有意に死亡への影響をもたらすような進行をすることがある。進行性間質性変化の特徴や進行リスク因子を同定することで、早期介入が可能になりアウトカムが改善するかもしれない。
リサーチクエスチョン:
ベースラインの特徴はRA-ILD進行と関連しているか?
試験デザインおよび方法:
2014~2016年に臨床的に胸部CTが適応となった成人RA患者の後ろ向き研究において、間質性変化を評価し、さらに診療録レビューに基づいてILAとILDに細分化して評価した。
ILD:過去にILDと診断されている、あるいは放射線学的にILDに合致する病変が広がっている
ILA:過去にILDと診断されておらず、ILD患者よりも胸部CT所見がよりわずかな変化しかないもの
結果:
間質性変化があったのは293人中64人(22%)で、男性喫煙者に多く、生物学的製剤やDMARDs使用例では少なかった。ILAに分類されたのは26人(41%)で、ILDに分類されたのは35人(55%)だった。3人(5%)はいずれにも当てはまらなかった。
連続CTでILA/ILDのあった56人のうち、38%が4.4±2.3年で放射線学的進行がみられ、29%のILAが進行した。進行性ILA/ILDのリスク因子は、胸膜直下優位の分布とベースラインの病変が大きいことだった。
結論:
293人の臨床的にCT撮影の適応があるRA患者のうち、間質性変化は22%にみられ、その半数が画像撮影時に呼吸器症状を訴えていた。放射線学的進行は38%にみられた。進行性ILAの患者の半数は、非肺の適応でベースラインCTが撮影されていた。胸膜直下の分布とベースラインのILA/ILDが広範囲であることは、進行のリスク因子だった。前向き縦断研究が望まれる。
by otowelt
| 2020-07-10 00:29
| びまん性肺疾患