関節リウマチ関連ILDの死亡予測モデル

関節リウマチ関連ILDの死亡予測モデル_e0156318_8574158.png 特に疾患特異的な項目はなさそうです。

Kim HC, et al.
Risk prediction model in rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease.
Respirology. 2020 May 22. doi: 10.1111/resp.13848.


背景および目的:
 RA-ILDはさまざまな臨床経過をとり、予後を予測することは難しい。さらに、予後に関するリスク予想モデルは確率されていない。

方法:
 RA-ILD患者153人の後ろ向きデータを用いて、予測モデルを構築し、独立したRA-ILDコホート(149人)で妥当性を検証した。予測モデルの候補変数は、多変量Cox比例ハザードモデルを使用してスクリーニングされた。 C統計量を計算して、各モデルの予測能力を評価および比較した。

結果:
 解析コホートの追跡期間中央値は54ヶ月で、38.6%が胸部HRCTでUIPパターンだった。多変量Cox分析において、高齢(60歳以上、ハザード比2.063)、胸部HRCTにおける線維化スコア高値(≧全肺野の20%、ハザード比4.585)、胸部HRCTにおけるUIPパターン(ハザード比1.899)、胸部HRCTにおける気腫(ハザード比2.596)は有意に予後不良であり、最終モデルに組み込まれた。予測モデルは、5年死亡の予測に良好なパフォーマンスを示した(C統計量0.780, P < 0.001)。さらに、リスクのある患者を1年死亡率に応じて3群に分類した(0%、5.1%、24.1%)。解析コホートにおける1年、2年、3年死亡率の予測と観察値は同等で、予測モデルは妥当性検証コホートにおいても良好に予後を予測した(C統計量0.638, P < 0.001)。

結論:
 われわれの結果は、胸部HRCT変数に基づくリスク予測モデルはRA-ILD患者に有用になるかもしれない。



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by otowelt | 2020-07-15 00:10 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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