IgGが低いとCOPD入院リスクが上昇する

IgGが低いとCOPD入院リスクが上昇する_e0156318_152551100.png IgGってほいほい測定しない印象があるので、日本のプライマリケアでは根付かないかもしれませんね。

Leitao Filho FS, et al.
Serum IgG Levels and Risk of COPD Hospitalization: A Pooled Meta-Analysis.
Chest. 2020 May 18. pii: S0012-3692(20)31409-4. doi: 10.1016/j.chest.2020.04.058.


背景:
 低ガンマグロブリン血症(血清IgG<7.0 g/L)は、COPD増悪リスクを上昇させるが、入院を予測するという知見はまだ示されていない。

リサーチクエスチョン:
 COPD患者における低ガンマグロブリン血症と入院のリスクの関連を同定すること。

試験デザインおよび方法:
 4つのCOPDコホート(合計2259人)のベースラインサンプルから血清IgG値を収集した。コホートは、AECOPD予防に対するアジスロマイシン(MACRO試験、976人)、AECOPD予防に対するシンバスタチン(STATCOPE試験、653人)、長期酸素療法試験(LOTT試験、354人)、COPD活動性:セロトニントランスポーター、サイトカイン、うつ病(CASCADE試験、276人)。 IgG値は、MACRO試験、STATCOPE試験では免疫比濁法で、LOTT試験、CASCADE試験では質量分析法で測定された。COPD入院リスクにおける低ガンマグロブリン血症の影響は、増悪転帰と死亡の累積発症関数を用いて評価された。Fine-Grayモデルを用いて、各試験に対するIgG値に関連した補正部分分布ハザード比(SHR)を得て、メタアナリシスを用いて統合した。人年ごとのCOPD入院率がIgGステータスごとに比較された。

結果:
 全体での低ガンマグロブリン血症の頻度は28.4%だった。低IgG値群では、正常群と比較してCOPDの入院が多いと推定された(Gray's test, P < .001)(SHR1.29、95%信頼区間1.06-1.56, P =0.01)。先行してCOPD入院があった患者757人の中では、プールSHRは1.58に上昇した(95%信頼区間1.20-2.07, P <0.01)。しかしながら、COPD入院リスクは、先行して入院がなかった患者ではIgGごとで同等だった(プールSHR1.15、95%信頼区間0.86-1.52, P =0.34)。低ガンマグロブリン血症群は、人ねんあたりのCOPD入院率が有意に高かった(0.48 ± 2.01 vs. 0.29 ± 0.83, P <0.001)。

結論:
 低ガンマグロブリン血症はCOPD入院リスク上昇と関連している。





by otowelt | 2020-06-25 00:59 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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