VISION試験:METエクソン14スキッピング変異のあるNSCLCに対するテポチニブ
2020年 05月 30日
METエクソン14スキッピング変異に対してクリゾチニブが効果的であるという報告が昔あった気がしますが、そこからテポチニブにまで話がすすんで、NEJMに論文が掲載されるに至りました。テポチニブはすでに日本でも発売されていて、テプミトコという商品名です。クリゾチニブよりも腫瘍活性が高く、またMETエクソン14スキッピング変異の頻度は結構高いため、BRAFよりはメジャーな対応になるかもしれませんね。いやあ、c-METを阻害する薬剤がついに肺癌にも。
コンパニオン診断薬は、Archer METでリキッドバイオプシーと組織生検の両方に対応。
・URL:https://hcp.merckgroup.com/jp-ja/oncology/tepmetko.html
テプミトコの「ミト」が「MET」なんですね。日本語読みしたらテプメトコになってしまいそう。
Paul K. Paik, et al.
Tepotinib in Non–Small-Cell Lung Cancer with MET Exon 14 Skipping Mutations.
NEJM, May 29, 2020, DOI: 10.1056/NEJMoa2004407
背景:
非小細胞肺癌(NSCLC)におけるMETエクソン14スキッピング変異は3~4%の頻度にのぼる。われわれは、高度選択的MET阻害剤であるテポチニブの効果と安全性を評価した。
方法:
このオープンラベル第2相試験において、われわれはEGFR遺伝子変異・ALK融合遺伝子陰性の進行あるいは転移性NSCLCでMETエクソン14スキッピング変異がある患者に対してテポチニブ(500mg)1日1回を投与した。プライマリエンドポイントは、少なくとも9ヶ月の追跡を受けた患者の客観的奏効率とした。また、反応性はリキッドバイオプシーあるいは組織生検によって同定されたMETエクソン14スキッピング変異に応じて解析された。
結果:
2020年1月1日から、合計152人の患者がテポチニブを、99人の患者が少なくとも9ヶ月の追跡を受けた。独立判定委員会によって評価された奏効率は、46%(95%信頼区間36-57%)で、両バイオプシーを受けた集団における奏効期間中央値は11.1ヶ月(95%信頼区間7.2-推定不能)だった。リキッドバイオプシーを受けた66人の奏効率は48%(95%信頼区間36-61%)で、組織生検を受けた60人の奏効率は50%(95%信頼区間37-63%)だった。両方が陽性となったのは27人だった。研究者によって評価された奏効率は56%(95%信頼区間45-66%)で、過去に進行性あるいは転移性NSCLCに対して治療を受けたかどうかにかかわらず同等だった。
研究者評価によるグレード3以上の副作用イベントは、患者の28%にみられ、末梢浮腫が7%にみられた。テポチニブ中断を余儀なくされた副作用イベントは、患者の11%にみられた。ベースラインおよび治療中にcirculating free DNAによって評価された分子的奏効は、患者の67%にみられた。
結論:
METエクソン14スキッピング変異のある進行NSCLC患者において、テポチニブは約半数の患者で部分奏効がみられた。グレード3以上の末梢浮腫が主な毒性だった。
コンパニオン診断薬は、Archer METでリキッドバイオプシーと組織生検の両方に対応。
テプミトコの「ミト」が「MET」なんですね。日本語読みしたらテプメトコになってしまいそう。
Paul K. Paik, et al.
Tepotinib in Non–Small-Cell Lung Cancer with MET Exon 14 Skipping Mutations.
NEJM, May 29, 2020, DOI: 10.1056/NEJMoa2004407
背景:
非小細胞肺癌(NSCLC)におけるMETエクソン14スキッピング変異は3~4%の頻度にのぼる。われわれは、高度選択的MET阻害剤であるテポチニブの効果と安全性を評価した。
方法:
このオープンラベル第2相試験において、われわれはEGFR遺伝子変異・ALK融合遺伝子陰性の進行あるいは転移性NSCLCでMETエクソン14スキッピング変異がある患者に対してテポチニブ(500mg)1日1回を投与した。プライマリエンドポイントは、少なくとも9ヶ月の追跡を受けた患者の客観的奏効率とした。また、反応性はリキッドバイオプシーあるいは組織生検によって同定されたMETエクソン14スキッピング変異に応じて解析された。
結果:
2020年1月1日から、合計152人の患者がテポチニブを、99人の患者が少なくとも9ヶ月の追跡を受けた。独立判定委員会によって評価された奏効率は、46%(95%信頼区間36-57%)で、両バイオプシーを受けた集団における奏効期間中央値は11.1ヶ月(95%信頼区間7.2-推定不能)だった。リキッドバイオプシーを受けた66人の奏効率は48%(95%信頼区間36-61%)で、組織生検を受けた60人の奏効率は50%(95%信頼区間37-63%)だった。両方が陽性となったのは27人だった。研究者によって評価された奏効率は56%(95%信頼区間45-66%)で、過去に進行性あるいは転移性NSCLCに対して治療を受けたかどうかにかかわらず同等だった。
研究者評価によるグレード3以上の副作用イベントは、患者の28%にみられ、末梢浮腫が7%にみられた。テポチニブ中断を余儀なくされた副作用イベントは、患者の11%にみられた。ベースラインおよび治療中にcirculating free DNAによって評価された分子的奏効は、患者の67%にみられた。
結論:
METエクソン14スキッピング変異のある進行NSCLC患者において、テポチニブは約半数の患者で部分奏効がみられた。グレード3以上の末梢浮腫が主な毒性だった。
by otowelt
| 2020-05-30 18:05
| 肺癌・その他腫瘍