COVID-19:ヘパリンは死亡リスク低下と関連

COVID-19:ヘパリンは死亡リスク低下と関連_e0156318_2201476.png うーん・・・。8割以上にヘパリンを用いているのですが、なぜでしょうか?ちなみにヒドロキシクロロキンも9割の患者に使用されております。
 プレプリントサーバーにアップされた後、わずか数日でアクセプトされている点が気になるのと、本文が短くて詳細が不明な点が多いので、ちょっと懐疑的です。

Luis Ayerbe, et al.
The Association Between Treatment With Heparin and Survival in Patients With Covid-19
J Thromb Thrombolysis. 2020 May 31. doi: 10.1007/s11239-020-02162-z.


背景:
 この研究は、COVID-19で入院した患者のヘパリンと死亡率の関連を調べたものである。

方法:
 2020年3月1日~4月20日までCOVID-19で入院した患者2075人の診療録、臨床データ4月25日まで追跡した。以下の変数が抽出された:年齢、性別、体温、入院時酸素飽和度、ヘパリンによる治療、ヒドロキシクロロキン、アジスロマイシン、全身性ステロイド、トシリズマブ、ロピナビル/リトナビル、オセルタミビル、死亡日。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、関連を調べた。

結果:
 2075人のうち、1256人が男性で、819人が女性だった。平均年齢や67.57歳だった。データ採取時、301人が死亡していた。1447人は自宅退院し、201人がいまだ入院中だった。他院へ転院した126人はデータに組み込まれなかった。追跡期間中央値は8日(IQR 5-12日)だった。1734人にヘパリンが用いられた。
 ヘパリンは年齢・性別で補正したモデルにおいて死亡率の低下と関連していた(オッズ比0.55 [95%信頼区間0.37-0.82]、p=0.003)。この関連性は、酸素飽和度<90%、体温>37℃をモデルに組み入れても同様だった(オッズ比0.54 [95%信頼区間0.36-0.82] p = 0.003)。また、他の薬剤を共変量に加えても同様だった(オッズ比0.42 [95%信頼区間0.26-0.66] p < 0.001)。

結論:
 この研究ではヘパリンと死亡率低下の関連が観察された。ランダム化比較試験において、ヘパリンの効果を検証すべきである。



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by otowelt | 2020-06-02 00:06 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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