ANCA関連血管炎に対する年2回のリツキシマブ投与
2020年 06月 04日

Pierre Charles, et al.
Long-Term Rituximab Use to Maintain Remission of Antineutrophil Cytoplasmic Antibody–Associated Vasculitis: A Randomized Trial
Ann Intern Med. 2020 Jun 2. doi: 10.7326/M19-3827.
背景:
18ヶ月を超えて、年2回のリツキシマブ投与後は、ANCA関連血管炎(AAV)患者における“標準”寛解導入レジメンの後、寛解を維持する上で有効である。
目的:
寛解を達成し、18ヶ月それが維持できているGPAあるいはMPA患者のAAV再発に対する長期リツキシマブ治療の効果と安全性をみる。
試験デザイン:
ランダム化比較試験。
場所:
フランスにおける38施設。
患者:
初期治療により完全寛解にいたった68人のGPA、29人のMPA患者。
介入:
リツキシマブあるいはプラセボを6ヶ月ごとに18ヶ月投与した(4回注射)。
評価項目:
プライマリエンドポイントは、28ヶ月時点での無再発生存とした。再発は、新規または既存症状の再発、疾患進行、BVASが0点を超えるものとした。
結果:
2015年3月から2016年4月までに、97人(平均年齢63.9歳、35%が女性)がランダム化され、リツキシマブ群50人、プラセボ群47人に割り付けられた。28ヶ月時点での無再発生存は、リツキシマブ群96%(95%信頼区間91%-100%)、プラセボ群74% (95%信頼区間63%-88%)だった。絶対差は22%で(95%信頼区間9-36%)、ハザード比は7.5(95%信頼区間1.67-33.7)(P = 0.008)。28ヶ月時点での、主要な無再発生存は、それぞれ100%(95%信頼区間93-100%)、87%(95%信頼区間78-97%)だった(P = 0.009)。少なくとも1回の重篤な有害事象イベントは、リツキシマブ群の12人(24%)(6人に9感染イベント)、プラセボ群の14人(30%)(4人に6感染イベント)がみられた。死亡はなかった。
結論:
18ヶ月を超えてリツキシマブ投与を年2回おこなうことで、AAV再発の抑制と関連しているかもしれない。
by otowelt
| 2020-06-04 09:24
| 膠原病