COVID-19:N95マスクの再利用に問題あり
2020年 06月 05日

それにしても、ダックビル型の写真、なんでこんなにオレンジ色なんでしょうね。ファンデーションがつく場所とは思えませんが。
Nida F. Degesys, et al.
Correlation Between N95 Extended Use and Reuse and Fit Failure in an Emergency Department
背景:
最前線にいる医療従事者は、COVID-19の原因となるSARS-CoV-2感染リスクが高い。N95マスクを含むPPEは予防に不可欠である。CDCは、基本的に医療従事者が患者1人を診た後、N95マスクを処分することを推奨しているが、重大なPPE不足時のN95長期使用と限定的な再利用を推奨している。しかし、N95マスクの再利用と延長使用に関するデータは限られている。2タイプの一般的なN95マスクを再利用しつつ、N95フィットテストに合格しなかった頻度を調べた。
方法:
UCSFの救急部で2020年4月4日から4月6日まで、N95マスクのフィットについて横断研究を実施した。全員、過去1〜2年以内に労働安全衛生局が義務付けたN95フィットテストに合格している。3Mのドーム型N95マスクおよびKimberly-Clarkのダックビル型N95マスクの定性的フィットテストを実施した。

結果:
68人の被験者のうち、66.2%が女性、48.5%が看護師だった。ドーム型N95マスクは、68人中51人(75.0%)、ダックビル型N95マスクは68人中17人(25.0%)が装着していた。全体でみると、初回フィットテストに不合格だったのは38.2%だった。ダックビル型は17人中12人(70.6%)、ドーム型は51人中14人(27.5%)で不合格だった。フィットテスト不合格は、シフト数の増加と関連していた(中央値4 vs 2、P < .001)。また、着用/着脱の増加(中央値15回 vs 8回、P < .001)、着用時間の増加(中央値14時間 vs 12時間、P = .048)とも関連していた。
結論:
この研究では、ダックビル型N95の不合格率が高いことが判明した。ドーム型マスクの故障は、使用増加と関連していた。N95マスクの非フィットは、PPEを使用していても、SARS-CoV-2の伝播に関与している可能性があるため、さらなる調査を要する。
by otowelt
| 2020-06-05 22:51
| 感染症全般