COVID-19:肺癌患者におけるCOVID-19は致死率が高い
2020年 06月 09日

Rogado J, et al.
Covid-19 and lung cancer: A greater fatality rate?
Lung Cancer. 2020 May 30;146:19-22. doi: 10.1016/j.lungcan.2020.05.034.
背景:
現在、COVID-19に感染した肺癌患者の特徴とアウトカムを規定する報告はない。われわれの研究では、ヨーロッパのパンデミックの震源地であるマドリードにおいて、腫瘍内科に通院している肺癌患者と当センターのリファレンス(32万人)との間に、COVID-19感染率と重症度に差があるかどうかを調べた。予後不良とCOVID-19の治療結果に関連する臨床的および人口統計学的要因について報告した。
患者および方法:
われわれは、肺癌患者のCOVID-19の累積発症を同定するため、2020年3月5日~2020年4月7日までにインファンタ・レオノール大学病院の全COVID-19患者1878人の診療録を後ろ向きに調べた。われわれは、単変量および多変量ロジスティック回帰分析を用いてCOVID-19治療アウトカムと死亡に関連するリスク因子を記述した。
結果:
1878人のうち、17人が肺癌患者だった(0.9%)。17人のうち9人がCOVID-19で死亡し(52.3%)、COVID-19患者全体1878人のうち192人(10.2%、p<0.0001)より多かった。死亡した肺癌患者は、生存者と比較するとやや高齢だった(72歳 vs 64.5歳、p = 0.12)。ヒドロキシクロロキンとアジスロマイシンは、肺癌患者のCOVID-19アウトカムを改善させた(治療を受けた6人のうち1人のみが死亡)。これは単変量および多変量ロジスティック回帰分析でも有意だった(オッズ比0.04、p=0.018)。
結論:
肺癌患者のCOVID-19死亡率は一般集団よりも高かった。ヒドロキシクロロキンとアジスロマイシンの併用治療は、良好な治療オプションとなりうる。院内感染を減らすために、病院の受診を最小限にすることが重要である。
by otowelt
| 2020-06-09 00:24
| 感染症全般