COVID-19:浸潤影が多い高齢者のCOVID-19は予後不良
2020年 06月 16日

Yan Li, et al.
Association of "Initial CT" Findings With Mortality in Older Patients With Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)
Eur Radiol. 2020 Jun 10. doi: 10.1007/s00330-020-06969-5.
目的:
高齢患者における胸部CT所見と死亡の関連を調べること。
方法:
2020年1月21日~2月4日までに、COVID-19診断初期に胸部CTを撮影された60歳以上98人を登録した。CT所見とCTスコアが死亡群と生存群で比較した。いずれの群においても、症状発現から診断初期のCTまでの期間によってサブグループに分けた(サブグループ1:間隔5日以内、サブグループ2:間隔6~10日、サブグループ3:間隔10日超)。年齢と性別で補正したROC曲線を用いて解析した。
死亡群が46人、生存群が52人だった。
結果:
胸部CTにおけるコンソリデーションは、死亡群のほうが生存群よりも多くみられた(53.2% vs 32.0%, p < 0.001)。サブグループ1および2ではCTスコア高値は、死亡群のほうが高かった(33.0 ± 17.1 vs 12.9 ± 8.7, p < 0.001; 38.8 ± 12.3 vs 24.3 ± 11.9, p = 0.002)。しかし、サブグループ3では有意差はみられなかった(p = 0.144)。
サブグループ1において、CTスコア14.5は感度83.3%、特異度77.3%で死亡を予測した(補正AUC0.881)。サブグループ2において、CTスコア27.5は感度87.5%、特異度70.6%で死亡を予測した(補正AUC0.895)。
結論:
予後を推定する上で診断初期のCTスコアは有用である。
by otowelt
| 2020-06-16 00:09
| 感染症全般