
・参考記事:呼吸器内科医が知っておきたい概念:PRISm
Çolak Y, et al.
Prevalence, Characteristics, and Prognosis of Early Chronic Obstructive Pulmonary Disease. The Copenhagen General Population Study.
Am J Respir Crit Care Med. 2020 Mar 15;201(6):671-680.
背景:
COPDを発症するリスクが高い若年成人を特定することは、発症前に予防につながり、疾患進行を止めるかもしれない。
目的:
一般集団における初期COPD患者の有病率、特性、予後を調査すること。
方法:
デンマークの人口ベースコホートからランダムに選択された10万5630人を調査した。早期COPDは、1秒率が正常LLN未満である10 pack-years以上の喫煙歴がある50歳未満と定義した。
結果:
10 pack-years以上の喫煙歴がある50歳未満の8064人のうち、1175人(15%)が早期COPDで、そのうち58%が現喫煙者だった。早期COPD患者は、慢性呼吸器症状がより多くみられ、重度の肺機能障害がみられる頻度が高かった。また、喘息や気管支炎/肺炎の既往が多かった。14.4年の追跡において、われわれは117人の閉塞性肺疾患による急性期入院エピソードと、227人の肺炎による入院エピソードを同定した。8064人の早期COPD患者のうち185人が死亡していることが判明した。COPDがない個人と比較すると、早期COPDは閉塞性肺疾患による入院リスクの上昇(補正ハザード比6.42、95%信頼区間3.39-12.2)、肺炎による入院リスクの上昇(補正ハザード比2.03、95%信頼区間1.43-2.88)、総死亡リスクの上昇(補正ハザード比1.79、95%信頼区間1.28-2.52)と関連していた。
結論:
一般集団における10 pack-years以上の喫煙歴がある50歳未満のうち、15%が早期COPDの定義に合致した。早期COPDは、慢性呼吸器症状や重度の肺機能障害の頻度が高く、呼吸器系の急性期入院リスクや死亡リスクを上昇させる。