COVID-19:軽症~中等症COVID-19患者は比較的徐脈になりやすい

COVID-19:軽症~中等症COVID-19患者は比較的徐脈になりやすい_e0156318_2201476.png 比較的徐脈は腸チフス・パラチフス、ブルセラ、リケッチアだけでなく、ウイルス性出血熱でもみられる現象の1つですが、SARS-CoV-2においてもよくみられる現象のようです。体温が38.3℃を超えると、1℃あたり脈拍数は8~10/分上昇しますが、これに満たないものを比較的徐脈といいます。ただし、β遮断薬内服者などは除外されます。

Ikeuchi K, et al.
Emerg Infect Dis. 2020 Jul 1;26(10). doi: 10.3201/eid2610.202648.
Relative Bradycardia in Patients with Mild-to-Moderate Coronavirus Disease, Japan.


概要:
 脈拍数は通常、体温が1°C上昇するごとに10/分増加する。ただし、一部の感染症では、脈拍数が想定どおりに増加しいないため、比較的徐脈と呼ばれている。COVID-19では39℃以上の発熱がみられるが、これと脈拍数の関連については調査されていない。軽症~中等症のCOVID-19患者においてこれを調べた。
 研究期間中、COVID-19の患者57人が当院に入院した。3人の患者は除外された(2人はβ遮断薬を内服しており、1人は肺血栓塞栓症を発症)。年齢中央値は45.5歳(範囲20〜81歳)で、患者の72.2%(39人/54人)は男性だった。症状発現から入院するまでの期間の中央値は9日(範囲2〜25日)だった。入院時の体温中央値は37.2°C(範囲36.1°C–39.2°C)、脈拍数84/分(範囲62–134/分)、収縮期血圧中央値は116 mmHg(範囲80–170mmHg)だった。入院中、患者の13.0%(7人/54人)は高熱(温度> 38.9°C)で、全員脈拍数は120/分(範囲72〜114/分)未満だった
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(文献より引用)

 患者に胸部CT撮影と心電図をおこなったが、循環器疾患の診断を受けた患者はいなかった。49人(90.7%)の患者に肺炎がみられ、11人(20.4%)の患者は非挿管の酸素療法を必要とした。24人の患者がCOVID-19特異的な治療を受けた(ファビピラビル15人、ヒドロキシクロロキン10人、両者併用1人)。昇圧剤や全身性ステロイド投与を受けた患者はいなかった。
 登録されたCOVID-19患者は全員軽快退院した。
 COVID-19患者で報告されているIL-6などの炎症性サイトカイン値が上昇すると、迷走神経を介して心拍数の変動が減少する可能性があるかもしれない。また、ACE2は心臓の細胞で発現することが知られており、ウイルスそのものが作用する可能性もある。



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by otowelt | 2020-07-04 00:18 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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