自然気胸に対する外来治療:Rocket Pleural Vent

Rocket Pleural Ventやソラシックベントのように侵襲性の低い気胸治療デバイスは、呼吸器内科医にとってありがたい存在です。ただ、置いている病院が少ない・・・。もっと普及してほしいです。

「Rocket® PleuralVent™」(動画URL:https://vimeopro.com/rocketmedical/rocket-seldinger-video-zone/video/132824173
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(Rocket Medical社)

Hallifax RJ, et al.
Ambulatory management of primary spontaneous pneumothorax: an open-label, randomised controlled trial.
Lancet. 2020 Jul 4;396(10243):39-49.


背景:
 原発性自然気胸は、健康な若い患者に発生する。最適な管理が定義されていないため、入院が長期化することがよくある。また、気胸の外来治療オプションの有効性に関するデータは乏しい。本研究は、外来気胸管理と標準管理における入院期間・安全性を比較した。

方法:
 このオープンラベルランダム化比較試験(16-55歳)では、3年におよび24のイギリスの病院から原発性自然気胸患者を登録した。患者はランダムに1:1の割合で、外来気胸治療(Rocket® PleuralVent™)と標準入院治療(穿刺吸引、胸腔ドレーン、または両者併用)に割り付けられた。プライマリアウトカムは、ランダム化から30日以内の再入院を含めた総入院期間とした。データ収集可能だった患者はプライマリ解析に含め、登録患者全員を安全性解析に含めた。

結果:
 776人の患者が2015年7月~2019年3月までに登録され、236人(30%)が、外来治療群(117人)および標準入院治療群(119人)に割り付けられた。30日時点で、入院期間中央値は外来治療群のほうが標準入院治療群よりも短かった(0日[IQR 0-3] vs 4日[IQR 0-8]; p<0.0001、差中央値2日[95%信頼区間1-3])。236人のうち110人(47%)に有害事象がみられ、外来治療群の55%、標準入院治療群の39%だった。14人の有害事象イベントが外来治療群の患者にみられ、8人(57%)は、気胸増悪、無症状性の肺水腫、デバイス位置不良、デバイスのリーク、デバイス脱落だった。
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(退院割合:文献より引用)

結論:
 原発性自然気胸に対するRocket® PleuralVent™の外来治療は、30日以内の再入院を含めた入院期間を有意に短縮したが、有害事象は標準治療よりも増えた。原発性自然気胸に対する外来治療は管理可能である。



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by otowelt | 2020-08-04 00:15 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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