髄膜癌腫症合併EGFR陽性NSCLCに対するオシメルチニブ

髄膜癌腫症合併EGFR陽性NSCLCに対するオシメルチニブ_e0156318_1372769.png タグリッソ以外を使う理由は今のところなさそうですね。

Lee J, et al.
Osimertinib improves overall survival in EGFR-mutated non-small cell lung cancer patients with leptomeningeal metastases regardless of T790M mutational status.
J Thorac Oncol. 2020 Jul 8. pii: S1556-0864(20)30505-0.


背景:
 オシメルチニブは第3世代EGFR-TKIであり、血液脳関門に良好な透過性を有する。この研究では、髄膜癌腫症(LM)を有するEGFR陽性非小細胞肺癌(NSCLC)の全生存期間(OS)を改善するかどうか検証した。

方法:
 2008年10月~2019年10月の間に、EGFR陽性NSCLC患者で細胞診でLMありと診断された患者について、オシメルチニブ使用・T790M変異ステータスごとにOSを解析した。OSはLMの診断から死亡までの期間と定義した。

結果:
 351人のLM患者が解析に組み込まれ、OS中央値は8.1ヶ月だった(95%信頼区間7.2-9.0)。T790M変異は検査された197人中88人にみられ、合計110人がLM発症後オシメルチニブを使用されていた。OS中央値は、T790M変異ステータスによって差はみられなかった(10.1ヶ月 [95%信頼区間4.31-15.82] vs. 9.0ヶ月 [95%信頼区間6.81-11.21], P= 0.936)。しかしながら、オシメルチニブで治療された患者は、オシメルチニブで治療されていない患者と比べて、T790M変異の有無にかかわらずOSが有意に長かった(17.0ヶ月[95%信頼区間15.13-18.94] vs 5.5ヶ月[95%信頼区間4.34-6.63]、ハザード比0.36; 95%信頼区間0.28-0.47, P <0.001)。第1世代/第2世代のEGFR- TKIのOS中央値は8.7ヶ月だった(95%信頼区間7.01-10.39)。

結論:
 オシメルチニブは、T790M変異ステータスにかかわらずLMのあるEGFR陽性NSCLC患者の治療オプションとして有望である。





by otowelt | 2020-07-29 00:49 | 肺癌・その他腫瘍

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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