
Wang PH, et al.
Clinical course and risk factors of mortality in Mycobacterium avium complex lung disease without initial treatment.
Respir Med. 2020 Jun 25;171:106070. doi: 10.1016/j.rmed.2020.106070.
目的:
肺Mycobacterium avium complex症(MAC-LD)は世界的に増えており、死亡に有意な影響を与えるかもしれない。しかしながら、診断されて初期治療を受けていない患者における生存アウトカムと死亡予測因子は不明である。
方法:
2011年~2017年に、台湾2施設においてMAC-LD患者をスクリーニングし、MACの初期治療を受けた患者を除外した。臨床経過と臨床的特徴を記録した。Cox回帰分析およびROC曲線により4年以内の死亡リスク因子を調べた。
結果:
初期治療を受けていない123人のMAC-LD患者が登録された。平均追跡期間は4.15 ± 2.52年である。22人(17.9%)が4年以内に死亡した。多変量解析では、4年以内の死亡リスク因子として4つの独立リスク因子が同定された、すなわちコンソリデーションパターン(ハザード比6.0, 95%信頼区間2.3-15.5)、放射線学的スコア>6点(ハザード比11.0、95%信頼区間4.0-31.1)、2年以内の画像所見悪化(ハザード比5.2、95%信頼区間2.1-13.1)、追跡中MAC治療が導入されないこと(ハザード比6.5、95%信頼区間1.3-31.1)である。それぞれのROC曲線下面積は、それぞれ0.702, 0.798, 0.758, 0.835だった。
結論:
初期治療を受けていないMAC-LD患者の4年死亡率は高い。胸部画像所見のコンソリデーションパターン、放射線学的スコア>6点、画像所見の経時的悪化、追跡中治療を受けていないことは4年死亡を予測する因子であった。