たばこと職業上曝露はIPFの発症リスク

たばこと職業上曝露はIPFの発症リスク_e0156318_1033185.png マリファナの件だけちょっとビックリしました。

Abramson MJ, et al.
Occupational and environmental risk factors for idiopathic pulmonary fibrosis in Australia: case-control study.
Thorax. 2020 Jul 13. pii: thoraxjnl-2019-214478.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は、進行性の線維化を特徴とする原因不明の肺疾患であり、効果的な治療は限られているため、生存期間の中央値はわずか2〜3年とされている。われわれの目的は、オーストラリアにおけるIPFに関連する潜在的な職業上・環境上の曝露を同定することである。

方法:
 オーストラリアIPFレジストリから症例を登録した。集団ベースのコントロール群は乱数番号法によって年齢、性別などでマッチして登録した。社会背景、喫煙歴、家族歴、環境曝露、職業上曝露についての質問をおこなった。職業上の曝露は、フィンランド職業曝露マトリックスおよびオーストラリア石綿職業曝露マトリックスを用いて評価した。年齢、性別などを補正し、多変量ロジスティック回帰を用いてIPFとの関連性を調べた。

結果:
 IPF患者503人(平均71±9歳、69%が男性)、コントロール患者902人(平均71±8歳、69%が男性)を登録した。過去の喫煙歴は、IPFリスクを上昇させたが(オッズ比2.20、95%信頼区間1.74 to 2.79)、マリファナの使用は、たばこで補正後、リスクを減少させることが分かった(オッズ比0.51、95%信頼区間0.33 to 0.78)。家族の肺線維症罹患歴は、IPFリスクを12.6倍上昇させた(95%信頼区間6.52 to 24.2)。職業上の受動喫煙への曝露(オッズ比2.1; 95%信頼区間1.2 to 3.7)、吸入粉塵 (オッズ比1.38; 95%信頼区間1.04 to 1.82)、石綿曝露(オッズ比1.57; 95%信頼区間1.15 to 2.15)は、IPFの独立リスク因子だった。しかしながら、その他の特定の有機、鉱物、金属粉塵への曝露はIPFのリスクとは関連していなかった。

結論:
 IPFに対するリスクは、たばこ規制の強化、職業上の粉塵対策、作業時の石綿除去によって軽減できるかもしれない。



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by otowelt | 2020-08-14 00:45 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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