RAPIDスコアは胸腔内感染症の3ヶ月時死亡リスク評価に有用

RAPIDスコアは胸腔内感染症の3ヶ月時死亡リスク評価に有用_e0156318_10322082.jpg RAPIDスコアの算出については以下の記事を参考にしてください。

・参考記事polymicrobialの膿胸は死亡のリスク

Corcoran JP, et al.
Prospective validation of the RAPID clinical risk prediction score in adult patients with pleural infection: the PILOT study.
Eur Respir J. 2020 Jul 16. pii: 2000130. doi: 10.1183/13993003.00130-2020.


背景:
 胸腔内感染症の成人患者の30%以上が死亡・外科手術を要する。患者が悪い臨床アウトカムに陥るであろうベースラインの所見で、強力な予測因子はない。しかし、検証されたリスク予測スコアによって、リスクの高い患者を早期に特定できるようになるかもしれない。

目的:
 成人の胸腔内感染症において、RAPIDスコア(R:腎臓[BUN]、A:年齢、P:膿性・非膿性、I:感染スコア、D:食事・栄養[アルブミン])(Chest. 2014 Apr;145(4):848-855)を前向きに検証した。

方法:
 これは胸膜内感染症の治療を受けている患者を登録した前向き観察コホート研究である。RAPIDスコアとリスク層別化は、ベースライン時の所見で算出された。プライマリアウトカムは、3ヶ月後の死亡率とした。セカンダリアウトカムは、12ヶ月時の死亡率、入院期間、胸部外科手術の必要性、治療失敗、3ヶ月時の肺機能とした。

結果:
 死亡率のデータは登録した546人中542人 (99.3%)で得られた。3ヶ月時の全体の死亡率は10%(54人)で、12ヶ月時の死亡率は19%(102人)だった。RAPIDスコアは3ヶ月時の死亡をよく予測した(低リスク[RAPIDスコア0-2点]5人/222人:2.3%, 95%信頼区間0.9 to 5.7), 中リスク[RAPIDスコア3-4点]21人/228人:9.2%, 95%信頼区間6.0 to 13.7、高リスク[RAPIDスコア5-7点]27人/92人:29.3%, 95%信頼区間21.0 to 39.2)。スコアの3ヶ月時および12ヶ月時のC-統計量はそれぞれ0.78 (95%信頼区間0.71 to 0.83)、0.77 (95%信頼区間0.72 to 0.82)だった。

結論:
 RAPIDスコアは、胸腔内感染症の死亡リスクを層別化することができた。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ポケット呼吸器診療(2020) [ 林清二 ]
価格:2200円(税込、送料無料) (2020/5/12時点)



by otowelt | 2020-08-12 00:39 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30