クラミジア肺炎は存在しない?
2020年 08月 10日

Fujita J, et al.
Where is Chlamydophila pneumoniae pneumonia?
Respiratory Investigation, https://doi.org/10.1016/j.resinv.2020.06.002
63文献を考察し、C. pneumoniaeによる肺炎はかなりまれであるというレビューです。同雑誌には、147例の肺炎患者の気管支肺胞洗浄液検体を後ろ向きに調べ、C. pneumoniae特異的PCR法で評価した国内の研究では、全例PCRが陰性だったという報告があります(プライマー感度は101~107コピー程度)(Respir Investig. 2017 Nov;55(6):357-364.)。
「クラミドフィラ肺炎」と書くべきなのかもしれませんが、再編の経緯について記載します。
1999年に、遺伝子分析に基づき「肺炎クラミジア」と「オウム病クラミジア」の分類が、Chlamydia(クラミジア)属からChlamydophila(クラミドフィラ)属に再編されましたが、その後、専門家たちの間でこの分類の再編が不要であるというディスカッションがなされ、数年前に「クラミジア属に戻すべきだ」という見解が得られています(Int J Syst Evol Microbiol. 2017 Feb;67(2):512-513.、Int J Syst Evol Microbiol 2010; 60: 2694.)。現時点ではまだ混在はあるものの、肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae)、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)といった表記に統一する動きがあります。
UpToDateおよびWikipediaではChlamydia pneumoniaeと記載されています。クラミジア属とクラミドフィラ属は、「属」の上位分類である「科」においてはどちらもクラミジア科(Chlamydiaceae)なので、クラミドフィラ属が残ったとしても、これらの総称としてカタカナで「クラミジア肺炎」と表現することに問題はないと考えられます。
by otowelt
| 2020-08-10 00:47
| 感染症全般









